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安芸津町に移住、就農「人・地域・作物結ぶ農園に」 甲斐農園 代表 甲斐直樹さん

  • 2022/05/16
甲斐さん

 千葉県出身の甲斐直樹さん(36)は、東広島市安芸津町の温暖で穏やかな気候や風土、地域の人々に魅了され、2012年に同町へ移住。農家から畑を借りて14年に甲斐農園を開園した。妻の舞さんとスタッフの3人で、かんきつ類などの栽培や加工品の販売に情熱を注いでいる。(山北)

 大学時代は工学部でエンジニアを目指していた。農園のアルバイトをする中で、手を掛けたら応えてくれる野菜や果物などの作物に心を動かされ、農業に従事することを決意。全国各地で農業の経験を積み、農業研修生として安芸津町に来た。 JA広島果実連が、かんきつ農業の担い手を育成する広島県果樹農業振興対策センターの一期生として栽培の基礎を学び、高齢の農家の地主が大切に守ってきた果樹園とジャガイモ畑など約1へクタールを引き継ぎ、就農した。

 地域の人の応援が原動力になり、かんきつ類は約2へクタール、ジャガイモは50㌃に生産を拡大した。農業は奥が深いが、地域の人やJA芸南のバックアップが心強いという。「農業をすることが、生きがいで楽しい」と笑顔を見せ、休日も自然と足が農園に向かうという。

 元気の源は、家族。子どもたちは、地域の人に見守られながら成長している。「子どもたちが、安芸津町で生まれ育って良かったと思えるような地域にしていきたい」と力を込める。収穫時には、千葉県から両親が手伝いに来てくれるという。

 移住した頃は心細さもあったが、地域の人の応援が力になり、甲斐農園を運営することができたことに、感謝の気持ちを表す。

 「安芸津町は自分を育ててくれた第二の故郷。地域の未来、農業の活性化に向けて農地を守り、大切に作物を育て安芸津町に恩返しをしたい」と話しながら、今後は「地域の中心となるような農業の担い手になり、人と地域と作物を結ぶ甲斐農園にしたい」と目を輝かす。

 

プロフィール
かい なおき 1985年生まれ。千葉県出身。2012年、東広島市安芸津町に移住。甲斐農園代表。農地利用最適化推進委員。

 

【甲斐農園の加工品を紹介】

 甲斐農園が、瀬戸内の太陽と安芸津町のミネラル豊富な赤土畑を使って栽培した新鮮でおいしい農産物で加工した商品は、栄養満点!甲斐さんは「旬の時期だけではなく、年間を通して安芸津町の名産を味わい笑顔になってほしい」と話している。安芸津町風早の芸南農協営農販売・ふれあい市と、同町木谷のマルイチ商店(オイスターキッチン・マルイチ)で販売している。「じゃがいもレモンかりんとう」はインターネットでも購入できる。

 

【みかんジュース】

 温州みかんを丸ごと絞った果汁100%の濃厚ジュース。食品添加物不使用。みかんを収穫して「みかん蔵」で貯蔵。追熟させて甘くおいしいみかんを厳選し、皮や袋の苦みが入らないようにやさしく搾りジュースにした。1本720ミリリットル450本限定、200ミリリットルは2500本限定。
 甲斐農園では、1本(720ミリリットル)700円。1本(200ミリリットル)280円で販売している。※販売価格は店舗により異なります。

みかんジュース

 

【じゃがいもレモンかりんとう】

 安芸津町特産のレモンとじゃがいもを使った、安芸津町らしい逸品を作りたいと、かりんとうの製造販売で知られる「香木堂」(東広島市黒瀬町)に、じゃがいもとレモンを提供し、完成した。最初はレモンの香り、後からじゃがいもの風味が広がるのが特徴。やさしい甘味のかりんとう。おやつやつまみにもなり、くせになるおいしさ。1袋40g。300円。

かりんとう

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