定時制からも8人が全国へ
8月に四国地区で行われる全国高校総合体育大会(インターハイ)に、県立賀茂高(東広島市西条西本町)から、アーチェリー部が女子団体に、レスリング部が男子団体と個人に、それぞれ出場する。また、定時制・通信制のインターハイにあたる全国高校定時制通信制体育大会にも、賀茂高定時制の陸上競技部とバドミントン部から8人の選手が出場する。
●アーチェリー部
団体メンバーは中西澪さん、沖優花さん、中村美空さん、細藤楓加さんの4人。3年生は中西さんだけで、他の3人は2年生だ。インターハイ予選となった6月の県高校総体では、「仲間を信じて笑顔でプレーすること」を心掛けた。可部高、海田高との三つどもえの競り合いを制し、9年ぶり7度目の優勝を飾った。
アーチェリーを始めたのは、4人とも高校に入学してから。このため、練習では、基本トレーニングを重視。ストレッチボートなどを使い、体の使い方を徹底的に覚えた。昨年冬には、インターハイの男子優勝校と合同合宿を行い、勝負への心構えなどを学んだ。
特に意識して取り組んできたのが精神面の強化。指導する戸田敦大監督は「アーチェリーは〈心の格闘技〉と言われるほど、気持ちが勝負を左右する。生徒には、どんな場面でも、〈絶対に弓を的に当てる〉という動じない心を持つよう、意識させた」と話す。その成果は、県高校総体の逆転勝ちとなって実を結んだ。
インターハイでは、「全国優勝」が4人の一致した思いだ。主将の中西さんは「全国大会出場という最低限の目標はクリアできたので、インターハイでは、伸び伸びと戦いたい」と目を輝かせている。
●レスリング部
部に昇格して2年目。団体では、うれしいインターハイ初出場をつかんだ。団体メンバーは高橋駿翆さん〈51キロ級〉、丸木美隆さん〈55キロ級〉、井田大介さん〈60キロ級〉、上前大地さん〈65キロ級〉、井野元晃弘さん〈71キロ級〉、木村智也さん(80キロ級)、俵風五さん(92キロ級)、中本勝幸さん(125キロ級)。3年生は中本さんと木村さんだけで、残る7人は1年生という若いメンバーで県高校総体に臨んだ。県高校総体の決勝では、国泰寺高を5-2で下し、全国切符を手に入れた。
部が誕生するきっかけになったのは、幼児から中学生までが所属する東広島ジュニアレスリングスポーツ少年団の存在。「高校進学後も、東広島でレスリングを続けられる受け皿がほしい」という要望に、賀茂高が応えた。同好会を経て、昨年4月、アジア大会に2大会連続で出場した中森昭平さんが賀茂高に赴任したのを機に部に昇格した。
練習では、きれいな受け身の姿勢を大切にする。「レスリングは怖さとの闘い。怖さに慣れるためには基本的な受け身の習得は不可欠」と中森監督。もう一つ、心掛けているのが、技をかけるスピードだ。スピードを磨くことが、相手の攻撃を封じることにもなるからだ。
インターハイの団体は無欲で挑む。中森監督は「全国のレベルはけた違いに高い。強豪校と対戦することで、選手たちが〈もっと強くなりたい〉という意識を引き出せる大会になれば」と話している。
一方、団体メンバーの5人が出場する個人戦では、125キロ級の中本さんに期待がかかる。今春の全国高校選抜と全日本ジュニア選手権では、ともにベスト8に進出。中本さんは「インターハイでは、ベスト8の壁を破りたい」と目を輝かせている。
●全国高校定時制通信制大会
陸上競技には、男子で世禮健さん(400m・800m)、重盛茉央さん(800m・1500m)、木村来さん(400m)、里永幸一郎さん(砲丸投げ・円盤投げ)、女子で諸見愛音さん(砲丸投げ)、澤田来夢さん(砲丸投げ)の6選手が出場する。
予選となった6月の県大会では、それぞれ3位内に入り、全国切符を手に入れた。投てきの2種目に出場する里永さんは「1回、1回の投てきを大切にしたい」、中距離の2種目に参加する重盛さんは「どちらかの種目でベスト8を目指したい」と張り切っている。
バドミントンには、男子シングルスで山田貴大さん、男子ダブルス(団体)に山田さんと片山翔希さんが出場する。6月の県大会では、山田さんが2位、ダブルスは優勝を飾り、ひのき舞台への出場権を得た。
2人は「臆することなく、全国の舞台に挑みたい」と話している。