東広島市は7月29日、黒瀬生涯学習センター(同市黒瀬町菅田)で「東広島市戦没者追悼式・平和祈念式典」を開いた。高垣広徳市長や遺族ら約250人が参列し、戦没者の冥福を祈り平和への思いを新たにした。
高垣市長は「戦争体験の記憶を、後世に伝えていくことが私たちの使命」と式辞を述べた。遺族を代表して、同市福富町遺族会代表の橋川孝志さん(85)がフィリピンで、24歳で戦死した兄をしのび追悼した。参列者は、献花台に白菊を手向け、静かに手を合わせていた。
子ども平和メッセージでは、市立高屋東小6年の玉理早弥香さんが「家族や友人と笑顔で過ごせる、平和の尊さを心に刻み日々を送る」と平和の誓いを発表。最後に被ばくピアノを使った演奏で、広島大合唱団らが「ふるさと」など3曲を合唱した。
同市黒瀬町遺族会の岡本義美会長(83)は「父は42歳の時に中国雲南省で亡くなり、遺品は血の付いた腹巻きが返ってきた。4人の子どもを残し、父も心残りだったと思う」と戦死した父をしのぶとともに母の苦労を振り返った。
式典には、同市原爆被爆資料保存推進協議会が主催する「平和学習バス」の小・中学生も出席。式典の一部は、東広島市公式チャンネルでインターネット配信した。
(山北)