「平山郁夫と中国~平和への思い~」と題した講演会が7月24日、広島大学東広島キャンパス内のサタケメモリアルホール(東広島市鏡山)で開かれ、平山郁夫美術館(尾道市瀬戸田町)の平山助成館長と広島大学佐藤利行副学長が対談した。
平山館長は、日中国交正常化50周年・平山郁夫美術館開館25周年を記念して、兄で昭和~平成時代を代表する日本画家だった、平山郁夫(故人)が、中国、アジア諸国との文化交流を推進し活躍したことなどについて紹介。
平山館長は「兄の郁夫は1945年15歳で被曝。生涯、心と身体に残る体験によって平和への強い思いがあった。『仏教伝来』『シルクロード』連作へと続く画業と、世界文化遺産の保護、救済に精力的に取り組んだ」と振り返れば、佐藤副学長は「平和を建学の精神とする広島大学で中国古典の研究者となった。日本と中国文化、歴史の関係の深さを再認識し、平和の道を歩む願いは平山郁夫先生の思いと重なった」と話した。
広島大学と平山郁夫美術館は包括的連携協定を2018年11月に締結。国際文化芸術発信拠点の形成と人材の育成に資することを目的として、インターンシップ制度で約1カ月滞在し、美術館での体験、展示映像の支援などを行っている。
文化講演会は、2022カルチャーフェスタ(広島大学中国古典文学プロジェクト研究センター、広島大学森戸国際高等教育学院など共催)の一環で開かれた。
(林)