東京2020パラリンピック陸上やり投げに出場し6位に入賞した、北広島町出身の白砂匠庸選手(26)が11月30日、市立豊栄中(東広島市豊栄町、矢原豊祥校長)の全校生徒43人に出前授業を行った。県教委の「体育に関する指導者派遣事業」で、スポーツの楽しさやパラスポーツへの関心を高めようと企画した。
白砂選手は2歳の時、農業用機械に誤って左手を入れ、手首の関節より先を失った。思春期になり、人目を気にしながら義手をつけて生活していたが、障害者スポーツ大会で選手たちがありのままの姿で目を輝かせて競技しているのを見て「障害を隠さず、ありのままの自分でいたい」と義手を外したという。
2016年からやり投げを始め、人と人とのつながりを大切に、スランプに陥りながらも諦めずに努力を続けてきた。白砂選手は、半生を振り返りながら、生徒たちに「困難に負けず、夢に向かって挑戦し続けてほしい」と呼び掛けた。
この後、グラウンドに出た白砂選手は、生徒たちにやり投げを披露。スポーツをする前のウォーミングアップも紹介した。生徒たちは、数㍍離れた相手に向かって両手で頭の上からハンドボールを遠くに投げるこつなどを学んだ。
健康委員長で3年の向井亮介さんは「やりたいことに挑戦し続けることが大切だということを学んだ。とても貴重な体験をした」と喜んでいた。
(山北)