南潤一郎さん(60)は、昨年11月に大阪府で開かれた「2022年少林寺拳法全国大会 in OSAKA」に県代表として出場。一般男子マスターズの部Bの2人1組で行う組演武で、42組84人が競い優良賞(3位)を受賞した。同大会には、県内から13種目26人、全国から約1500人が出場し、日頃の修練の成果を披露した。(山北)
南さんは、高校2年から「護身術」で少林寺拳法を始めて42年目。「年齢、性別を問わず素晴らしい人との出会いがあり、心と体を同時に鍛えることができるので大好き」と笑顔。
指導者の道を歩み始めたのは28年前。広島大学少林寺拳法部や、UNITY広島武専の講師として指導を続け充実した日々を過ごしている。
6月に還暦を迎え、心機一転。一歩でも前に進み、経験年数が一番多い拳士の種目(組演武2人の合計の年齢が110歳以上)で、今までの修練の結果を試してみたいと、25年ぶりに大会への出場を決めた。
2人で行う稽古は、仕事と、道場の指導との時間調整が難しかったが、空いた時間を有効に活用して週1回、集中して取り組んだ。年齢的に体が悲鳴を上げることもあったが、稽古の質を意識しながら、1回2時間の稽古を頑張ったという。
6月に福山市で開かれた県大会で優勝を飾り全国大会への出場権を獲得。約40年間指導してもらい、8月に他界した恩師に報いたいという一心で演武し、見事に3位に入賞した。「日々、稽古を積み重ね、その集大成が結果に出た」と喜び、支え続け応援してくれた家族や組演武の相手、師匠、同志、門下生など関係者に感謝した。35歳の時、母にもらった「継続は力なり」という言葉の意味を、実感できた有意義な大会だったと振り返る。
今後の目標は、今年、日本武道館(東京都)で開かれる世界大会出場。「まずは、県大会に向けて、門下生とともに稽古を頑張りたい」と熱く語った。