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ひろしま男子駅伝 広島県の7位入賞に貢献 5区・田原選手(西条農)、6区・新見選手(松賀中)

  • 2023/02/06

 天皇杯第28回全国都道府県対抗男子駅伝競走大会(ひろしま男子駅伝)が1月下旬、広島市中区の平和記念公園前を発着点とする7区間48㌔のコースで行われ、広島県は7位入賞を果たした。入賞の原動力の一つになったのが5区・田原琥太郎(こたろう)選手(西条農高2年、松賀中出)と6区・新見春陽(はるひ)選手(松賀中3年)の東広島勢コンビだ。二人は「次のステージに向け、弾みを付けられたレースになった」と話している。(日川)

ひろしま男子駅伝で広島県の7位入賞に貢献した西条農高の田原選手(左)と松賀中の新見選手
ひろしま男子駅伝で広島県の7位入賞に貢献した西条農高の田原選手(左)と松賀中の新見選手

松賀中の先輩・後輩でタスキリレー

 高校では全国レベルの大会に初参戦だった田原選手は、高校生区間では最も長い8・5㌔を担った。10位でタスキを受け取ると、序盤は落ち着いた走りでレース状況を見極め、後半一気にペースアップ。区間7位の力走で、2人を抜いて8位に順位を押し上げた。「区間順位が一桁という目標を達成できうれしかった」と目を細める。

 中学生区間の後半3㌔を受け持った新見選手は、序盤からトップスピードに乗り、懸命に前を追った。3000㍍で今年度県中学生ランキング1位(8分39秒)の力を発揮し、区間4位の走りで、先行するチームとの差を詰めた。順位を上げることはできなかったが、レースの流れを引き寄せ、アンカーにタスキをつないだ。「目標としていた8分20秒は切れなかったけど、3年間培ってきた力を出すことはできた」と言い切る。

 松賀中の先輩から後輩へのタスキリレーも、二人を奮い立たせた。松賀中時代、新見選手の2学年上だった田原選手は「僕を育ててくれた松賀中に少しでも恩返しをしたかった。新見君に良い位置でタスキを渡したい一心で走った」と言い、新見選手は「(順位を上げた)先輩の走りには勇気をもらった。よし、僕も続くぞという気持ちになった」と話す。

 西条農高の選手が、ひろしま男子駅伝に出場したのは15年ぶり。世羅高の後塵を拝してきただけに、田原選手が「全国に西条農の存在を知らしめることができて良かった」と言うのは本音だろう。田原選手のターニングポイントは、昨年秋の中国高校駅伝。その年の全国高校駅伝優勝メンバーとなる倉敷・桑田駿介選手と3秒差の区間3位に入ったことが自信になり、ひろしま男子駅伝での躍進につなげた。

 一方で、新見選手は、松賀中として3連覇を狙った昨年の全国中学校駅伝への出場を逃した悔しさを、中学校最後の駅伝となるひろしま男子駅伝にぶつけた。「とにかく借りを返したかった。全中駅伝に出場した選手には負けたくなかった」と振り返る。

 今春、田原選手は高校生最後の学年を迎え、新見は世羅高に進学予定。田原選手は5000㍍の自己ベスト14分14秒の更新を大きな目標に掲げる。目標とする数字は13分台だ。「1秒を削り出す気持ちで、一歩ずつ記録を更新していきたい。13分台が出せれば全国で戦える。トラックではインターハイに出場したいし、駅伝では世羅に勝って《都大路》に行きたい」と前を見据える。

 駅伝の古豪、世羅高に進む新見選手の目標は、当然、全国高校駅伝の優勝だ。「世羅高は力のある選手がそろっている。身近に目標となる選手を見付けて、レベルアップを図りたい。10㌔前後の長い距離にもしっかりと対応できる選手になりたい」と決意を新たにする。

二人の指導者からメッセージ
期待通りの走りを喜ぶ

西条農高・引地真一教諭

 ひろしま男子駅伝では、前半を抑えて、後半に勝負する、田原選手本来の走りを見せてくれた。彼の良さは、体の軸がしっかりしているところ。気持ち的には、何事にも感謝の思いが強く、「恩返し」という言葉をよく使う。今回の駅伝をきっかけに、春からのトラックシーズンに向け、頑張ってほしい。

松賀中・平賀靖弘教諭

 新見選手は本番に強く、レースでは外したことがない。ひろしま男子駅伝でも期待通り、よく走ってくれた。中学時代に指導した田原選手と新見選手のタスキリレーはうれしかった。2人とも負けず嫌い。これから2人には、さらに高いレベルで成長してもらいたい。

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