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未就学児対象音楽療育が好評 児童発達支援事業所はなまる

  • 2023/04/04
事業所内に多数置かれている楽器。中央は指導する狩谷さん(撮影・小林)
事業所内に多数置かれている楽器。中央は指導する狩谷さん(撮影・小林)

 県内でも珍しい音楽療法に特化した療育を行う児童発達支援事業所はなまるが、東広島市西条町下見にオープンしてから半年が過ぎた。利用者からは、発達に遅れのある未就学児を対象とした音楽によるコミュニケーションを通じた療育が好評だ。

 はなまるを運営する非営利活動法人きずなでは、これまで高齢者や小学生向けに提供してきた音楽療法を、0~6歳の未就学児やその家族にも提供するため同施設を開設。音楽療法の理論に基づき、▽ダンスやスキップによる心身の発達▽発声や音量の調節によるコミュニケーション力の発達▽合奏や音楽ゲームによる社会性の育成―など、子どもたちの個性や療育の目的に合わせたアプローチを行う。

 スタッフは、アメリカの大学院で学び大学での指導経験もある狩谷美穂さんら音楽療法士5人と保育士3人。子どもたちのペースを尊重し、自ら楽しめるように「待つ療育」を大切にしている。CDのような固定された音楽は使用せず、全て即興の音楽。危険なこと以外は否定されない環境で、自己表現の楽しさを覚えた子どもたちは、自己肯定感と自信を持てるようになるという。

 子どもの発達の遅れを受け入れにくい保護者にも、「子どもと保護者が一緒に成長したいと思えるようにサポートする」と狩谷さん。「大きな音が苦手に見える子どもも、実は苦手な原因が音以外のこともある。一人一人と向き合って、子どもたちの、今このときの態に合わせた療育をしている」と力を込める。

 個人セッションか、2~3人の小グループのセッションは1回40分。その間、保護者は同室にいることも、モニターのある控室に待機することもできる。

(小林)

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