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貧困家庭に食品届ける 開始2年で500世帯利用 農育ぶちうま宅食便

  • 2023/04/13
栽培した野菜やフードドライブで集まった食料品を家庭に届ける「農育ぶちうま宅食便」(撮影・小林)
栽培した野菜やフードドライブで集まった食料品を家庭に届ける「農育ぶちうま宅食便」(撮影・小林)

 一般社団法人ひろしま農育プロジェクト(阿知波康祐代表)が、支援を必要とする家庭に食料品を届ける「農育ぶちうま宅食便」をスタートして、2023年3月で丸2年を迎えた。この間、延べ約500世帯、子どもの数で延べ約1200人が利用した。

 同法人では、「農業を通して地域をつくり、人をつくり、仲間をつくる」を理念に掲げ、近隣小学校や留学生向けに農業体験学習を提供するなどしている。地域で耕作者が不在となった放棄地を借り受けて活動の場とし、大学生メンバーを中心に、地域の農業を守り、子どもたちを育む活動を続けている。

 育てている野菜のうち、形や色が悪い、少し傷があるなど、十分食べられるにもかかわらず市場に出せないものの行き場を思案していたとき、貧困家庭の問題を知った。行政など支援機関の窓口やこども食堂に行くこともできず、食べるものに困っている人が東広島市内にもいることを知り、「農育ぶちうま宅食便」をスタートした。

 届ける食料品は、同法人で栽培した野菜のほか、ゆめタウン東広島とゆめモール西条に設置されたフードドライブに集められた食材。2人の子どもを育てるひとり親家庭の女性は「仕事で忙しいとき、子どもが自分で準備して食べられるレトルト食品が助かる。一方で新鮮な野菜も本当にうれしい」と話す。

 食料品は、1・5~2カ月おきに届けるほか、急を要するときには、期間にこだわらない。野菜の配送も、状況や希望に合わせた内容に変更している。「今後も各家庭の事情に合わせて最適な食料品を届けたい。行政やこども食堂など公の場で『助けて』と言えない人にこそ利用してほしい」と阿知波さんは話す。

 同法人では、「農育ぶちうま宅食便」を続けていくために、個人や企業からの金銭的・物的支援や、フードドライブの設置など協力を求めている。詳細は同法人ホームページへ。

(小林)

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