米半導体大手のマイクロン・テクノロジーは、子会社のマイクロンメモリジャパン広島工場(東広島市吉川工業団地)に次世代の半導体メモリーの開発や量産に向け最大で5000億円を投資することを決め、5月22日、広島工場で記者会見を行った。(日川)
会見には、マイクロン・テクノロジーのサンジェイ・メロートラCEO(最高経営責任者)や湯崎英彦県知事、高垣広徳東広島市長らが出席。
メロートラ氏の話によると、広島工場には、より細かな加工を可能とするEUV(極端紫外線)技術を用いて、1γ(ガンマ)世代と呼ばれる次世代DRAM(メモリーといわれる半導体記憶装置)を開発する。
日本政府の支援を前提としながら数年間で最大5000億円の投資を計画。日本では初となるEUVを2025年にも導入し26年頃から新製品を出荷していく方針だ。多くのメモリーが必要となる生成系AI(人工知能)や高速・大容量通信規格の5G向けの需要に応えていく。
広島工場では、これまで10年間にわたって、業界をリードするメモリー技術の開発・製造を担ってきた。現在は、同社初となる1β(ベータ)世代と呼ばれる業界最先端DRAMを量産している。今回、1βの開発に続く、1γの導入に、メロートラ氏は「1γの導入は、半導体のエコシステム(企業間の製品の連携)を進展させ、半導体製造の日本の地位を向上させる」と強調した。
また、メロートラ氏は半導体インフラを構築するために、広島大学を含む日米の11大学と連携し、専門の半導体人材を育成していく方針を示した。
高垣広徳市長の話
投資は、市への半導体関連産業の集積を加速化させる。市は広島大学と一体となったまちづくりを推進しながら、グローバル企業や研究者を呼び込む次世代学園都市づくりを目指しており、大きなインパクトを与える。今後も大学や地元企業と連携しながら、マイクロン社の持続的な環境整備を図りたい。