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安否確認怠り重大事案に 老夫婦衰弱、宅配業者が救助

  • 2023/08/08

 今年5月に80代の夫婦が自宅で衰弱し、宅配の弁当業者の機転で救助されたものの、市の地域包括支援センターからの安否確認が遅れたことについて、市では「重大な事案」として捉え、改善に取り組んでいくことを明らかにした。

 市の話では、夫婦は「老老介護」世帯で、今年4月から市が業者に委託している高齢者向けの配食サービスを利用。事案は5月上旬に発生。業者のスタッフが訪問すると、施錠された玄関内から男性の声で「外に置いて」と言われ、3日連続で玄関先に弁当を置いた。

 サービスは、業者が利用者に食事を手渡しすることが原則だが、できない場合は利用者の親族や地域包括支援センターに連絡する仕組みになっている。このため、業者スタッフは親族やセンターに連絡を入れたが、市が委託している地域包括支援センターでは、業者スタッフと男性が会話をしていることから、対応をしなかったという。

 スタッフは看護師の経験があり、3日連続で置き配になったことに異変を感じ、4日目に警察と消防に連絡。警察が駆け付けたところ、衰弱している夫婦を発見、救助した。男性は転倒し骨折、女性も食事がとれていなかったという。

 市地域包括ケア推進課では「関係機関が危機意識のアンテナを高く持って、改善に取り組んでいきたい」と話している。

(日川)

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