東広島市原爆死没者慰霊式が7月30日、同市八本松南の八本松地域センターで開かれた。被爆2世ら約80人が参列、センター敷地内にある慰霊碑に手を合わせ、花を手向けた。
同市原爆被害者の会などの共催。式典では、同会世話人で被爆2世の中島健さん(76)が「被爆者の平均年齢が85歳になり、被爆の実相を語るものがいなくなれば、それを良いことに核兵器の脅威を忘れさせようとの邪な考えも生まれかねない。被爆の実相はしっかりと継承していかなければならない」などと式辞。この後、参列者は慰霊碑に献花を行った。式典後は、賀茂高演劇部が同高前身となる賀茂高女の原爆救護応援隊の手記を朗読。市民オーケストラの演奏もあった。
参列者で同市西条町出身の被爆2世の女性(72)は「母親は入市被爆だが、私ら子どもたちにそのことを多く語ろうとはしなかった。家族が差別されることを恐れていたからでしょう。それが現実だったことを、若い人には知ってほしい」と話していた。
同会の話では、被爆者健康手帳を持つ市民は今年3月末で1353人。昨年同時期と比べ112人減ったという。
(日川)