東広島市は8月22日、東広島市戦没者追悼式並びに平和祈念式典を黒瀬生涯学習センター(同市黒瀬町菅田)で開いた。高垣広徳市長や遺族ら約130人が参列し、戦没者の冥福を祈り平和への思いを新たにした。
参列者全員で黙とうをした後、高垣市長が「戦争から学んだ多くの教訓を心に刻み、戦争体験の記憶を後世に継承していく」と式辞。参列者は祭壇前に設けられた献花台に白菊を手向け、戦没者をしのび、手を合わせていた。
子ども平和メッセージでは、市立高屋西小6年の渡邊智子さん、井杏香里さん、市林彩さんの3人が「戦争の悲惨さを学び、平和を守り続けられるように歴史をつなげていく」と決意を語った。この後、東広島みらい合唱団が被爆ピアノの伴奏で「アオギリのうた」と「にじ」を合唱。最後に平和への願いを込めて、「ふるさと」を参列者と一緒に合唱し心を一つにした。
当時23歳の兄がフィリピンのセブ島方面で戦死したという、豊栄町遺族会の森住守夫さんは「兄の遺骨が戻らず、母は毎晩、風の音がしたら帰ってきたのではないかと外に出て兄の姿を探していた。式典には命が続く限り参列したい」と当時を振り返り、話していた。
(山北)