「あのバスって何?」。青色の車体に彩られた大きなバスがブールバールを走行している光景が、市民の間でちょっとした話題になっている。東広島に突如出現した謎のバスを、関係者に話を聞きながらまとめた。(取材班)
Q1.どんなバス?
自動運転で隊列走行できるバス
運転手が行う操作をシステムが代わりに行い、自動で車を走らせる自動運転の技術と、2台のバスが通信を行い、カルガモの親子のように、一定の間隔を維持しながら、ひとかたまりで走る隊列走行の技術を用いたバス。バスの大きさは先頭の連節バスが18㍍、後続の大型バスが12㍍。車間距離を含めると45㍍で連なる。
Q2.なぜ走らせている?
実用化へ向けた実証実験
東広島市とJR西日本が、自動運転や隊列走行の技術を用いた「バス高速輸送システム(BRT)」の導入を視野に入れ、11月から、ブールバールでの実用化に向けての課題を探る実証実験を始めた。公道での実証実験は全国で初めて。ブールバールの左側車線(歩道寄りレーン)を走行している。
Q3.導入の目的は?
魅力的な交通システムの構築
東広島市では、大学や企業と連携してデジタル技術を活用したスマートシティの実現を目指しており、移動サービスのモビリティ分野で検討しているのがBRT。全国でも珍しいBRTをまちづくりに組み入れることで、東広島を訪れた人がワクワクするような交通システムの構築を目指している。
Q4.運転手はいないの?
乗車している
実証運行では、自動運転区間と手動運転区間を設定しており、自動運転中でも緊急時に備え、先頭車、後続車のどちらにも、運転手は乗車している。ちなみに隊列自動走行の実証実験区間は池ノ上学生宿舎前バス停から御薗宇ランプまで。
Q5.いつ乗れる?
来年1~2月に試乗会
実証実験は客を乗せないで12月27日まで行い、その後、来年1、2月に試乗会を予定している。試乗会の予約は12月中旬に開始予定。実証実験で得られたデータをもとに、専用レーン整備などを含めた課題を洗い出し、2020年代半ばに全ての運転操作がシステムで自動化される「自動運転レベル4」の実用化を目指す。
Q6このバスのメリットは?
大量輸送と運転手不足の改善
2台以上のバスをひとかたまりで走らせることで、多くの市民が一度に乗車することができる。また、複数のバスを自動運転で走らせることで、運転手の人手不足を改善することにもなる。
🔎暮らしは変わる?
BRTの導入で、ブールバール沿線の交通渋滞の解消につながり、マイカーを運転しなくても、運転ができないようになっても、市民は、便利で質の高い移動ができるようになる。