東広島市議会の第4回定例会は昨年12月4日から21日まで開かれ、16億2668万円の一般会計補正予算案や、公共施設の指定管理者の指定、市使用料条例の一部改正、保育施設の職員配置の改善を国に求める意見書提出、職員給与の条例の一部改正など30議案を可決、閉会した。今回の定例会で注目すべきテーマになった3案件をまとめた。(日川)
市議会トピックス
本会議での執行部や市議の発言内容を、人工知能(AⅠ)を使い、議場モニターにリアルタイムで字幕表示するシステムを試験的に導入した。市議の質問や執行部の答弁が、ほぼ正確に表示された。
▼一般会計補正予算・東広島こい地鶏の生産販売体制の強化
内容 東広島こい地鶏は、東広島市が広島大と連携して開発したブランド地鶏。ただ、開発から5年が経過した今も、販売が停滞しているため、事業の立て直しとして飼育技術指導の経費などに約290万円を充てる。
市議からの質疑(市民経済委員会で) 「事業の見通しや今後のスケジュールは」「事業の目的にかなう税金の投入になっているのか」
執行部の答弁 「販路が定まらず、いまだ少ない生産体制のままだが、補正で品質の保全などテコ入れを図り、ブランド価値を高めたい。そのためには増産体制が必要で、東広島こい地鶏推進協議会を再編強化する。2、3年後をめどに、3万羽の生産体制を確立したい」「今、飲食店への直売など販路開拓に取り組んでいるが基本的には、市は事業者の調整役。リスクは事業者に負ってもらうことをルールに取り組んでいく」
▼一般会計補正予算・都市型宿泊施設の立地可能性調査
内容 結婚式場「グランラセーレ東広島」が昨年11月末で閉館したのに伴い、コンベンション機能を備えた都市型宿泊施設のニーズ調査などに500万円を充てる。
市議からの質疑(市民経済委員会で) 「立地する場合、場所の選定の見通しはどうなっているのか」「過去、都市型ホテルの誘致に際しては頓挫した経緯がある。もっとニーズを把握し十分な資料を集めた上で予算を組むべきではないのか」
執行部の答弁 「立地エリアについては、ニーズとホテルのグレードなどを考え検討する」「産業界との意見交換の中で、都市型ホテルの必要性を挙げる声は多く、補正を組んだ。ビジネスの需要に加え、観光のニーズをしっかりと把握しながら、夏までに調査内容を報告したい」「今回は、市がホテル立地を推進するという認識ではない。市がホテル立地の可能性を示すことで、民間の事業が成立するか明らかにしていきたい」
▼東広島市使用料条例の一部改正
内容 冷暖房の利用料金を定める市使用料条例の改正で、エアコンを新設する西条中の体育館は1時間当たり800円、安芸津中は1時間当たり7040円から1500円に引き下げた。
市議からの質疑(文教厚生委員会で) 「住む地域によって使用料に差が出るのはおかしい」「市内の公立の学校施設の使用料は、どこでも同一の料金が望ましい」
執行部の答弁 「金額差が生じるのは、エアコンの燃料として使うガスの種類が違うため。学校のグラウンドなども使用料に差があり、市全体で考える必要がある」「なるべく早期にルールづくりに取り組んでいく」