東広島市西条上市町の賀茂泉酒造(前垣寿宏社長)では立春の2月4日、早朝に搾り上げた日本酒をその日に消費者に届けるイベント立春朝搾りの出荷作業があった。今回で22回目。県内の蔵元から参加したのは、同酒造のみ。売り上げの一部は、能登半島地震で被災した加盟店などに寄付する。
酒蔵では、3日の節分の夜から一晩中もろみを搾り続け、早朝に搾り上がった生原酒を火入れせずに瓶詰めし、ラベルを貼り1・8㍑入り約10
00本、720㍉㍑入り約3500本を箱詰めした。同酒は、新鮮でフルーティーな香りとフレッシュで爽やかな味わいが特徴。
出荷前には神事を行い、おはらいを受けた縁起酒を広島市などから来た酒販店の車両に次々と積み込んだ。
廿日市市のリカー&フーズタナカの田中豪荘店長は「毎年、お客さんが楽しみにしているので早く届けたい」と足早に出発した。前垣社長は「年に一度だけ作る縁起酒を味わってもらい、笑顔になってもらえれば」と話していた。
同イベントは、1998年に日本名門酒会(東京都)が良質でおいしい酒を愛飲家に届けようと各地の蔵元に呼び掛けて開かれており、今年度は全国43蔵が参加している。
(山北)