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森田哲平さん/ 株式会社おたすけ隊【FM東広島『喫茶897』第37回】

  • 2024/06/20

 FM東広島・毎週火曜日午後6時台に放送している『DOGENSURU NIGHT』内のコーナー『喫茶897』では、東広島の企業・団体の方にお越しいただき、いろいろなお話を伺っています。

 第37回のお客様は、株式会社おたすけ隊、代表取締役の森田哲平(もりた てっぺい)さん。おたすけ隊として多岐に渡る活動をしている森田さんにさまざまなお話うかがいました。

 

 

 

 

 

去るものと残されたものをつなぐ

— おたすけ隊の事業内容やこれまでおこなってきたことなどを教えてください。

 お助け隊では生前整理から始まって遺品整理やリフォーム、解体。あと地域センターなどでセミナーをやらせていただいたりしてます。

 

 

— 生前整理や遺品整理をおこなってきた中で皆さんに意識しておいてほしい事はありますか。

 自分のものは自分で片付けるということは意識した方がいいですね。

 遺品整理の現場でご身内の方たちが揉めるということも結構あるんですね。費用は誰が払うとか物は誰が片付けるとか。

 なので、やはり生前整理をしていた方がトラブルにもなりません。本人からすれば価値のあるものと分かっていても、自分の子供や家族の趣味や価値観が一緒じゃない場合、価値の共有が出来ないのでただの物になってしまいますよね。

 

 

 逆に言うと、価値があると感じてくれている人に整理整頓の意味も含めて欲しがっていたものを譲るようにしておいた方が喜ばれます。もしくは、「亡くなった時にはこれをあげるから」のようなことをしっかり決めておくことが大事だと思いますね。

 市役所で発行している未来ノートというものがあるんですが、これも活用してもらいたいです。

 1冊のノートにいろいろと情報が書けるんです。生前整理というか、こういうものがあってとかこういうことをしたいとか書いていくんですね。

 私ももう4冊書き換えています。私は今46歳なんですが今はもう年の順ではないので、いつ亡くなるかというのは分かりません。なので若いうちから書いておこうと。亡くなった時に子どもたちとか相続人とかが「これはこういうものだったんだな」とかいう風に分かるので。それに、未来ノートを書いていくと自分自身の心と記憶の整理も出来ます。

 年をとっていくと考えが変わる事はあると思うんですけど、自分や周りが変わることで未来も変わっていくので書き換えていきます。

 

 

— 社名の由来を教えてください。

 私がいろんな仕事をしていたら知り合いから「それ、おたすけ隊じゃん」と言われたんです。そこからですね。社名はなんでもいいんですよ。自分のやりたいことをやれる。それが一番大事だったので。

 

 

— 先程話にも出たセミナーではどんなお話をされていますか。

 最近よく話題にあがる終活についてとかですね。おたすけ隊とは別にNPO団体でも活動しておりまして、「ゆりかご」という団体なんですがそこでいろんな人たちと集まってセミナーを開催したりしています。

 

 

未来と過去を変えた一枚の写真

ー お仕事をしている中で印象に残っている事や嬉しかった思い出はありますか。

 嬉しかったことはちょいちょい今でも感謝のお手紙をいただくのが嬉しいです。一番印象に残っているのは1枚の写真が親子の絆を復活させたということがありまして。

 社協さんからの依頼で片付けに入った時の話なんですけど、亡くなった方と息子さんがずっと疎遠になっていたんですよね。息子さんは連絡がついてるんですけど、もう父には全然一切関わりたくないと言っていたんですよ。

 どうしようこうしようといっても片付けはしないといけないんで。

 それで片付けていたら、たまたま1枚の、息子さんの写真をお父さんが大事に取っていて。これはやっぱり大事なものなんでこれを息子さんに届けてあげたいなと思ったんです。その写真を届けたところ、息子さんが「自分の父親はこんなに自分の事を大事に思ってくれていたんだ」と。

 

 

 それで考えが180度変わって、もう「葬儀もきちんとします、お金もどれだけかけてもいいんでしっかりとやりたいです」という話になったんですね。

 亡くなられたお父さんも写真をすごく大事にされてたみたいですし、息子さんもその写真を見てそこまで変わったということで、忘れられない印象深い出来事でしたね。

 

 

ー 森田さんの趣味を教えてもらっていいですか。

 魚釣りですね。4歳の頃からやっているんで。実家が西条の市役所近くなんですが、黒瀬川が小学校いく時にも通るような川なんでそこで魚釣りを覚えてからはもうずっといろんなところに釣りに行ったりしています。最近は全然いけていないんですが。

 

 

点と点を結び、よりよい未来への線を

ー 森田さんのこれからの目標やビジョンを教えてください。

 今、私はベトナム平和友好協会というところに入っていて、ベトナムに行く機会が年に一回あるんですけど、それで向こうの学校の生徒に対して支援をするということを十数年前からやっています。

 どういった支援をするかというと、少数民族の学校へとかですね。高校の1年間の授業料が1万8,000円なんですが、そこに少ないですがいくらか寄付をして勉強をしっかり学んでもらってという活動等をおこなっており、その継続が目標ですね。

 そして、今後も継続してやっていき、何かの縁で東広島にも興味を持ってもらって東広島に来てもらえたらいいなと思っています。日本はこれから少子化がどんどん進むばかりなので、やはり海外からの人達にも頼らざるを得なくなると思うんですね。日本での移住先の選択肢に東広島を入れてもらえたら嬉しいなと思っています。

 

 

— 森田さんが株式会社おたすけ隊を一言で表すと

 結ぶ、という文字ですね。

 事業内容でも生前整理や遺品整理・リフォームなどもやっているんですが、最近建設業も立ち上げまして。困っていることは全部出来るというような環境を作りたかったんです。

 

 

 困っていることというのは人それぞれで点のように存在して、それをどんどん結んでいけば解決だったり強力だったりといい方向になるなと考えています。人の繋がりもそう。点と点、人と人を結んであげられたらなと。

 

 

— 終活などで意識しておくべき点や何か感じたことなどはありますか。

 誰に対しても行っているんですが、お金はすごく大事です。だけど、お金じゃないもの、さっき話に出てきた一枚の写真もそうなんですけど、思い出とかそういうものを一番大事にしてほしいなと思っています。

 

 

— 最後にメッセージをお願いします。

 先程も言いましたが、私が4回も書き直している未来ノート。これは法的な縛りは別にないんですけどいろんなことをかいておけばみんなに伝えることが出来るのでやはり書いておいてほしいなと思います。

 コツとしては人生会議ではないですけど、家族や友人と一緒に書いてもらった方がいいですね。コミュニケーションをとりながら自分の未来とかこの先を考えていくことが大事です

 あとは、親に遺書を書いておいて欲しいとは気持ちの面でも言いづらいと思います。なので、まずは未来ノートを一緒に書いてみるところから始めてもらえたら。

 

 

 

いろいろな活動を積極的にしている森田さん。ベトナムの話を伺った時に、カンボジアの支援活動をしてい私の父の話をすると「それいいですね」「おもしろい」「お父さんの話をもっと聞きたい」と身を乗り出して興味を持ってくださいました。事業と事業、事業と人、人と人、日本と海外、東広島と海外、そういったご縁を手繰り寄せるのはこういった縁の力を信じ繋がっていこうという意志の力なんだろうなと思います。
「おたすけ」というのも誰か助けたい人がいて初めて成立するもの。一人で悩んでいる方、森田さんとおたすけ隊の力を借りてみてはいかがでしょうか。

 

 

会社情報

株式会社おたすけ隊

住所:〒739-0012 広島県東広島市西条朝日町13-15

事業内容:不用品処分、遺品整理、リフォーム、解体工事、お墓掃除、お参り代行、空き家管理、庭の草刈りや剪定など

HP:https://otasuketai201811.com/

 

 

 

 

記者の画像

森 新太郎

FM東広島パーソナリティ。広島大学教育学部卒。劇団を主宰し、演出や脚本も務める。

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