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読者が関心を持った市議会代表質問は? 上位の答弁を掲載

  • 2025/04/14

 2025年度の当初予算を審議する東広島市議会第1回定例会の代表質問が2月下旬から3月上旬にかけて行われ、プレスネットでは、読者が関心を持つ代表質問について事前アンケートを行った。読者の関心が高かった1位と2位の代表質問と答弁を紹介する(答弁者の肩書は当時のままで掲載)。(日川)



東広島市議会

第1位 地方創生2・0の施策について

清新の会(重森佳代子)

清新の会(重森佳代子)

※地方創生2・0=「地方こそ成長の主役」とする石破政権の看板政策。●地方の生活環境の創生
●人や企業の地方分散●新しい地方経済の創生●デジタルの徹底活用●産官学金労言との連携―の五つの柱からなる

Q.

 ①市の地方創生10年間を検証し効果と反省点を問う。
 ②東広島ニュータウンの再生は地方創生2・0に資する事業。所見を問う。
 ③次世代学園都市構想(T&G構想)の市民理解について所見を問う。
 ④T&G構想は事業の「見える化」が必要。透明性をどう確保するのか。
 ⑤TGOアプリは必要性に疑問を感じる市民も多い。慎重な開発が必要では。所見を問う。

A.

①について―高垣広徳市長

高垣広徳市長

 これまで地方創生交付金を活用し、経済分野ではハイビズの支援で、中小企業の売り上げ向上や事業拡大、農業分野では学校給食での地場産品の活用など、地域の活性化に成果が上がった事例が出ている。しかし、交付金の活用だけでは、市中心部から離れた周辺部の人口の減少は止められない。今後、人口減少地域への総合的な施策を推進する。



②について―川口一成副市長

川口一成副市長

 東広島ニュータウンは、2005年には7500人が居住していたが、近年は少子高齢化などで空き家が発生するなど課題も顕在化している。一方で、東広島ニュータウンはJR西高屋駅に近い文教地区で、多世代が居住する良好な住環境の一つ。UIJターンの受け皿として、持続可能なまちとなるよう、注意深く見極める。



③について―栗栖真一経営戦略担当理事

栗栖真一経営戦略担当理事

 次世代学園都市構想の推進にあたっては、市民理解は不可欠。地方創生2・0の柱であるデジタルの活用や産官学金労言との連携は、市の目指しているところ。今後広報に力を入れ、次世代学園都市構想への理解を市民に浸透させていく。

④について―栗栖経営戦略担当理事

 広島大学を中心としたスマートシティの構築は、企業からの寄付金を財源に、広島大に出損(寄付)し事業を実施している。事業の見える化については、広島大が責任を持って説明していると考えている。しかし、どのようなまちにしようとしているのか、取り組みが見えにくいことも理解している。分かりやすい資料を作成し、議会で報告できるよう努める。

⑤について―栗栖経営戦略担当理事

 TGOアプリは、これまで2年間で開発に取り組んできたことを踏まえながら、魅力的なアプリとするため、次々と開発をするのではなく、開発したものを検証し、見直すべきところは見直す。



第2位 持続可能な地域づくりについて

市民クラブ(小池恵美子)

市民クラブ(小池恵美子)

Q.

 ①地域別計画には各支所の機能充実が不可欠。配置した地域担当職員の成果と課題を問う。
 ②自転車は環境に優しい移動手段。交通渋滞の緩和にも役立つなどメリットがある。JR八本松駅周辺の市県道や西条中央循環線への自転車通行帯と、市内の自転車駐車場の整備計画を問う。
 ③橋上駅のJR八本松駅は、東広島市では広島市に最も近い駅だが、築57年が経過し老朽化が進展。改修の構想は。

A.

①について―前延国治副市長

前延国治副市長

 令和6年度から各支所に地域振興の専任職員を配置し、支所長をサポート、地域の課題解決にあたっている。地域の取り組みと市の施策を結びつけることで、地域別計画の推進に一定の成果を上げている。一方で、課題は職務の守備範囲が広く、本庁の施策の方向と、現場とのギャップの解消に時間を要することだ。



②について―藤原康史建設部長

藤原康史建設部長

 八本松駅前土地区画整理事業内の都市計画道路や、江熊新橋~上寺家下見線までの西条中央巡回線は自転車通行区間の整備は必要。三つの整備形態があるが、路面標示で自動車に注意喚起を促す車道混在の形態で整備したい。交通結節点のJR駅周辺での駐輪場は、雨にぬれない導線の確保や、移動が短時間ですむキャッシュレス決済の導入など、市民が利用しやすい環境を整備したい。



③について―台信達観都市部長

台信達観都市部長

 JR八本松駅南側は、土地区画整理事業を行っているが、駅舎と駅南北広場については抜本的な整備構想はない。令和7年度から地域住民に課題を聞きながら、長期的な視点で整備の調査検討をする。



記者の目 会派の色表れた代表質問

 今回の代表質問では、7会派が計112件について、高垣広徳市政をただした。
 高垣市長が答弁で力を入れていたのは、新年度当初予算の編成で、重点テーマとした「次世代学園都市構想」(T&G構想)と、well―being(ウェルビーイング)を実感できる共生社会の実現だ。一方で、弊社の読者アンケートでは、子育てや教育、道路整備、防犯対策などの質問が読者の関心を集め、上位にランクインした。1位だった地方創生2・0に関連する質問は、石破茂政権の看板政策で、その話題性が影響したといえよう。
 次に、今年と昨年の代表質問を比較すると、今年は、会派の色が鮮明に表れたことが特徴の一つだ。例えば、1・2期生でつくる未来の風は教育や子育て、公明は災害対策や福祉、と各会派の所属議員の強みを生かした質問に焦点を絞っていた。これを機に、会派の役割は「政争の具」ではなく、政策集団であることを忘れてはならない。
 今年は、初めて予算規模が1000億円を超えたことも相まって、関連質問を含めると多くの市議が登壇した。地域や市民生活に直結した質問に力を入れる一方で、高垣市政の柱である次世代学園都市構想や、共生社会の施策をただす市議も垣間見ることができた。しかし、本質論までには至っていない。今後1年間の予算の執行を見ながら、今回の質問がどれだけ施策に反映されたのか、1年後に検証したい。
(日川)



第1回定例会の全代表質問と答弁

R070227 東広島市議会令和7年第1回定例会3日目① 代表質問(清新の会)



R070227 東広島市議会令和7年第1回定例会3日目② 代表質問(創志会)



R070228 東広島市議会令和7年第1回定例会4日目① 代表質問(市民クラブ)



R070228 東広島市議会令和7年第1回定例会4日目② 代表質問(未来の風)



R070228 東広島市議会令和7年第1回定例会4日目③ 代表質問(創生会)



R070303 東広島市議会令和7年第1回定例会5日目① 代表質問(公明党)



R070303 東広島市議会令和7年第1回定例会5日目② 代表質問(真政俱楽部)

記者の画像

プレスネット編集部

広島県東広島市に密着した情報を発信するフリーペーパー「ザ・ウィークリープレスネット」の編集部。

東広島の行事やイベント、グルメなどジャンルを問わず取材し、週刊で情報を届ける。

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