『デンマークから学ぶ幸せになるための税』
広島県立広島中学校 1年齋藤玲奈
令和5年の「今年の漢字」は「税」だった。
筆を執った森清範貫主は「税」が選ばれたことについて「国民がシビアに税の行方を見ている。」などと話したそうだ。どうしてこうも私たち国民は税をマイナスな面ばかりで捉えてしまうのだろうか。税は私たちを幸せにするためにあるはずなのに。
小学6年生のとき、学校で租税教室があった。特に印象に残っているのは、日本と外国の消費税についてだ。現在の日本の消費税率は10%だが、それよりも消費税率が高い国があるということを知った。その中の一つであるデンマークは25%で、日本の倍以上だ。そのときの私は「デンマークの国民は負担が重くなって不満に感じているのではないか」と思 った。
気になった私はデンマークについて調べてみた。すると、予想とは反対に、デンマークは国民の幸福度が高いと言われているということが分かった。その理由として、社会福祉が無料のものが多いということが挙げられている。例えば、医療費。家庭医と呼ばれる主治医が国民の一人ひとりに割り当てられていて、病気の状態などを全て家庭医が判断する。また、教育費も原則無料となっている。さらに、18歳以上の学生には月額8万円の生活費が支給される。このように、子供から大人までの幅広い年代に税が使われているので、国民は幸せに暮らせているというのだ。その他にも、国民の姿勢も関係しているのではないだろうか。それは、国民が国を信用しているということだ。なんと、デンマークの国政選挙の投票率は90%である。日本の約50%とは比べものにならないほど割合が高いということが分かる。この高い投票率を支えるのは若者だ。若者が投票するから政治家も若者の声を汲み取ることができるそうだ。
デンマークも最初から幸せな国だったわけではないだろう。国民が高い税を納める分、国が国民の期待に応えるという信頼関係を築いてきたからこそ、幸せな国といわれうるのだ。
私は今回、デンマークの税について知ったことで、日本の未来に少し希望を持つことができた。税は、国民が幸せになるためにあるものであるということを改めて理解して欲しい。また、租税教室など税について知る機会を大切にして、これからの日本のために税について詳しくなりたい。