中国電力エネルギア総合研究所はこのほど、分散型電源用転送遮断システムを開発し、フィールド試験を開始した。家庭用の太陽光発電など電圧の低い系統に接続されている分散型電源を、電力線通信を利用して転送遮断するシステムは世界初。中国電力とNECの共同研究。
これまでは電力会社が電気の需要と供給のバランスを管理していたが、近年急速に普及の進む家庭用太陽光発電システムは”分散型電源”となり、その電力量や停電が起こった場合の電力の遮断などに課題があった。
今回開発されたシステムは、この分散型電源の単独運転を防止するもので、万が一の事故を防ぐとともに、品質のよい電気を安定して利用者に供給するために不可欠なもの。さらに、次世代の送配電網といわれる”スマートグリッド”における監視制御システム、双方向通信システムとしても利用が可能で、発展性の見込める技術だといわれている。
研究は平成16年度に着手し、開発費用は約3億円。研究所内でのフィールド試験、検証・改良を経て24年度までに実用化する。(住田)