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湖底に沈むふるさと見届けたい 仁賀ダム 試験湛水開始

  • 2021/12/01

 

 竹原市竹原町仁賀の仁賀ダムで11月1日、試験湛水の開始式が行われ、地元住民をはじめ県や市の関係者ら約400人が出席した。 

 関係者によると、試験湛水の開始を地元住民の立会いで行われるのは全国的にも珍しいという。ダム水没地区の住民でつくる仁賀ダム対策同盟会が実行委員会をつくり、「湖底に沈むふるさとの歴史的瞬間をぜひみんなで見届けたい」との願いで開始式を実現。式典で実行委会・祐本征武会長は「ダムのまちとして地域の振興、活性化を進めていきたい」と力強くあいさつした。

 施工者を代表し、仁賀ダム本体工事事務所・赤江一平所長の合図で、高さ3.5m、幅3mの鋼製ゲートが降ろされると、出席した住民がすぐ近くまで駆け寄り、それぞれにふるさとへの思いをめぐらせた。同盟会参与の天内茂樹市議会議員の音頭で、出席者全員が万歳三唱を行った=写真。

 試験湛水は約1年半の実施。仁賀ダムは計画策定から40年をかけ、2012年3月に完成。同盟会・平田耕作会長は「記録誌の発行を計画しており、ふるさとを思う気持ちをいつまでも大切にしたい」と話していた。(信藤)

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