交通指導員の東広島市西条土与丸の新本重吉さんは毎朝街頭に立ち、登校する小学生たちの安心・安全を守っている。「街頭に立っていると、子どもが顔を覚えて話しかけてくれたり、知らない人でもあいさつをしてくれたりする。この仕事で人の輪が増えた」と顔をほころばせる。
新本さんは自分の子どもが幼稚園に通い始めた約35年前、通園路が危険だと感じ、自主的に自宅近くの道路に立ち始めた。建設業を営み、時間に融通がきくこともあって続けていたところ、市から要請があり、正式に交通指導員として採用された。 それから33年間、雨の日も雪の日も、毎日欠かさず街頭に立った。
ベテランの新本さんは学校や地域の人からの信頼も厚い。毎年春、小中学校の交通安全や自転車の教室には指導をしてもらいたいと学校から指名がくる。
毎朝の街頭指導は子どもの安全を守るため「気が抜けず、ずっと緊張している」。責任は重く、起床は4時半と、決して楽な仕事ではないが「子どもたちはわが子のようにかわいいので続けていられる」と話している。(森)