「省エネ生活から環境を見直そう」
東広島市立松賀中学校 3年 加悦港人
「うちも、省エネ始めようか。」
これは、この夏、僕が省エネを考えるきっかけになった母の言葉です。母は、東日本大震災で多くの人達が、不自由な生活を余儀なくされている事実に心を痛め、我が家でも何かしたいと考えたのです。僕は即、了解しました。
僕たちは様々なことを始めました。「3R運動」の「リデュース」「リユース」「リサイクル」であるこの言葉も、よく家で耳にするようになりました。僕は、男ばかりの三兄弟ですが、みんな買い物袋を持って買い物に出かけました。空き缶やごみの分別も、市から配布された「ごみの出し方」の表を見て、丁寧にしました。
その中でも、僕が力を入れたのが、一般家庭で消費電力が一番多いと言われているエアコンの節電です。昨年購入したエアコンには、一ヶ月の電気代が分かる機能が付いています。昨年の夏は一ヶ月で約四千円近くかかってしまいました。この数字をどこまで落とせるか、僕は三つの省エネ運動を試みました。
僕は、この夏の体験から、今、日本で起きていることや地球の環境のことなどに関心を持つということは、知識を得ることはもちろん、自身の生活を見直すことだと思うようになりました。「まず、自分から始めよう。」そして、僕自身の思いや行動が、周りの人々に伝わってほしい、伝えたいと強く願うのです。
省エネ運動の一つ目は、一般的ですが、設定温度を常に二十八度以上にすることです。二つ目は、二週間に一回のフィルターの掃除です。実際にフィルターのほこりを除くことで、部屋に冷風が行きわたるようになりました。三つ目は、待機電力を消費しないようにブレイカ―を落とし、コンセントをこまめに抜いたことです。これはエアコンだけに限らず、電気製品全てに言えることですが、コンセントにつないでいることで消費する電力量は、消費電力の一から二割を占めるそうです。
たった三つのことですが、やり切るにはかなり努力が必要でした。例えば、これまで、十度代の温度設定にしていたので、二十八度の設定温度に対して、「暑いなぁ、低くしてくれよ。」と、誰かが不満の声をもらすこともありました。しかし、扇風機で空気を循環させ、うちわを使ってしのぎました。みんなの努力のおかげで、今年の夏の一ヶ月のエアコン代は、千八百円まで減らすことができました。これは去年の半分以下です。「あなたの家だけががんばったって。」と、思われるかもしれません。確かに、一人でやっても大きな意味はありません。しかし、意識さえあれば、輪は自然と広がっていきます。例えば、先日、母が「来年は『緑のカーテン』を育てよう。」と言っていました。母の知り合いから勧められたからです。母は、「朝顔がいいね。」と意欲的です。