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息子から母への手紙を歌で… 川上小で講演会《西条》

  • 2021/08/04

 

 阪神淡路大震災で一人息子を亡くした加藤律子さん(63)と音楽家の奥野勝利さん(37)の講演会「絆・いのち」は1月18日、東広島市立川上小学校であり、保護者ら約60人が聞き入った。 「この20年で、私の翼には立派な羽根がそろってゆきました。私はこの翼で大空へ翔(と)び立とうとしています。誰よりも高く、強く自在に飛べるこの翼で」(一部抜粋)。国連で働くことを夢見て1995年、大震災で死亡した広島市安佐北区出身の加藤貴光(当時21)さんは、神戸大学入学時に母・律子さんのポケットにこっそりと忍ばせ、渡した手紙の一節だ。
 震災後全国に報道され、大きな感動を呼んだこの手紙が東京でCMなどの音楽を手掛けてきた奥野さんの目に止まり、曲になった。講演会では「自暴自棄になって放浪し始めたぼくを救ってくれたのは人々の優しい気持ちだった」と奥野さんは話し、「親愛なる母上様」を含め7曲を披露。
 加藤さんは親の子どもへの思い「親が前に出ない、できないふりをすることが子どもの自立を助ける。分かっているけど言わない忍耐力も必要」と接し方、「いのち」の大切さを熱く語った。(門山)

 

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