「受章は妻をはじめ、わたしを導いてくれた多くの先輩、後輩方のおかげ。支えてくれた人たちに感謝の気持ちでいっぱい」と瑞宝中綬章を受章した西川恭治さん。長年、プラズマや地上での核融合エネルギー開発のための基礎研究に携わってきた。奨学金を受けながらカナダに3年間留学したことを振り返り、「生活も研究も孤独で苦労したこともあったが諦めず続けたことで苦労が報われた」と受章を喜ぶ。
何度もスランプに突き当たったが、その度にがむしゃらに勉強し新しい発想を生み出してきた西川さん。「辛いときはとにかく頑張れば必ず新しい光が差し込むもの。自分には何もないと憂うのではなく持っているものを十分に使い切っているかを考えることが大切」。若い人たちには「『禍福はあざなえる縄のごとし』と『持たざるを憂えず、使わざるを憂う』という2つの言葉を胸に前に進んで行ってほしいですね」とエールを送る。(國藤)