「健康上の問題が辞職の理由」と語る蔵田義雄市長(12月14日、東広島市役所)
東広島市の蔵田義雄市長(66)は12月18日、牧尾良二議長に辞職願(辞職は12月21日付)を提出し、受理された。牧尾議長は蔵田市長の辞任受理を市選管に通知。公職選挙法では通知した日から50日以内に市長選を行うように規定されている。市選管では来年1月28日告示、2月4日投開票で調整を進めている。蔵田市長は3期目で、来年4月27日までの任期を残しての辞職。辞職願の提出を前にした12月14日、蔵田市長は本紙との会見に応じた。
―辞職を決断した大きな理由は。
一言でいうと健康上の問題。今年4月、公用車に乗っていて停車中に追突され、頚椎などを傷めた。だましだまし公務を続けてきたが、ここにきて症状が悪化。特に左足がしびれ、10分と同じ姿勢ができない状態だ。「体調が回復するまで公務を休んだら」と助言してくれる人もいたが、他人に任せることは私の性格に合わない。体が思うに任せない以上、市民の負託に応えることはできない、と判断した。体が元気なら4期目もという思いは持っていた。
―任期を残しての辞職だが。
私が年内に辞職することで、次の市長は人事案件などに関わることができる。市の方向などを勉強して新年度を迎えることができる、と思った。もう一つ、今の私の体では、任期いっぱい務める自信がなかった。
―やり残したことは。
継続中の案件は市職員がやってくれる。印象に残っていることもいろいろあり、これとはいえない。一言いわせてもらえれば、こんな形で辞職することに、自分が悔しいし情けない。市民に対しては、責任を果たすことができず申し訳ない気持ちでいっぱいだ。引くときの決断は本当につらかった。察してほしい。
―後継指名については。
指名するつもりはない。私が、これをやれと言うのは候補者に失礼だ。ただ、候補者によっては、人間性とかを見て、市長にふさわしい人物を応援することはあるだろう。
―辞職後は何を。
体は資本。時間が取れるようになるので、真剣にリハビリに取り組みたい。医師らとも相談し、手術よりも筋肉を付けて痛みやしびれを緩和する治療に取り組む。
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蔵田義雄市長は、12月18日、辞職に伴う記者会見を行い、辞職を決断した健康上の理由以外について問われると、「うわさされているようなことは一切ない」と語気を強め、「政治家は体が動かなくなったときが、身を引くときと以前から思っていた」と答えた。