大津市で保育園児らの列に車が突っ込み、園児らが死傷した事故は、右折車と直進車による『右直事故』だった。報道を見て「見通しの良い場所でなぜ」と思うが、東広島市でも見通しの良い交差点での右直事故が発生している。生活の足として車が欠かせない東広島。発生場所や注意点を確認し、事故を回避したい。
(橋本礼子)
見通しが良いのになぜ…?
東広島署管内の昨年の人身交通事故は576件で、約半数が交差点で発生。このうち、信号機のある交差点での右直事故にしぼると、13カ所の交差点で計15件発生。
※信号機のある交差点における人身事故(2018年中)
※構成率は、同交差点における事故のうち、右折直進の事故の割合
※2件発生した円城寺入口、東広島警察署前はピックアップで取り上げているため、表には入れていません
2件発生した円城寺入口、東広島警察署前の両交差点は、南北は片側2車線、東西は片側1車線の道路で、見通しは決して悪くない。この他の発生場所を見ても、片側2車線の道路を含む交差点が9カ所。
見通しが良くても右直事故が発生するのはなぜか。東広島署の加本邦宏交通課長は、「お互いの車は見えているが、『右折してこないだろう』『対向車がこれくらいの速度なら曲がれるだろう』といった認知と判断のミスに尽きる」と分析する。
「かもしれない」運転立ち返り
交通事故総合分析センター(イタルダ)の資料「右直事故発生における人的要因の分析」では、右折側のドライバーが対向車を見落とした要因には、焦り(急ぎの用がなくても)▽待機することによる油断(確認不足)▽前の車や対向車で視界が遮られていること|などがあると説明。
また、道交法では交差点を通行する際、直進車は「できる限り安全な速度と方法で進行しなければならない」とあり、加本交通課長は、「交差点を通過する際、右折車の方が優先度は低くなるが、直進車が威張って走行していいということではない。悲惨な事故が起きてしまった今こそ、『かもしれない』運転に立ち返ってほしい」と呼び掛ける。
ドライバー目線の動画で現場を確認
■ 東広島警察署前
・発生=2件(昼1、夜1)
・構成比 100%
国道486号とJR西条駅と広島大学を結ぶ幹線道路ブールバールが交差。
この交差点では、この他にも出合い頭の事故、自転車と車が接触する事故が発生している。東広島市で最も交通事故の多いワースト交差点。
🎥ドライバー目線の動画
■ 円城寺入口
・発生=2件(昼1、夜1)
・構成比 33.3%
国道の375号と486号が交差。いずれの方向も右折レーン、右折可の矢印信号がある。
この交差点では、この他にも出合い頭の事故、自転車と車が接触する事故が発生している。東広島市で最も交通事故の多いワースト交差点。
🎥ドライバー目線の動画
右折する際、前に数台が待機している時は、まず、目の前の車の動きを確認しましょう(追突防止)。
自分が先頭になったら、対向車、横断歩道の歩行者や自転車を確認。歩道に入りかけの人がいるかもしれないので、首を右にしっかり振って目視しましょう。
確認は止まっている時に、落ち着いてするのがポイントです。
(プレスネット2019年6月6日号掲載)