市出土文化財管理センターの中山主査
東広島市内に点在する中世に築造された「土居屋敷跡」を、出土品約200点とパネル約50点で紹介する企画展「東広島の土居屋敷跡」が同市河内町中河内の東広島市出土文化財管理センターで開かれている。無料。12月21日まで。
土塁や堀をめぐらせた土居屋敷は、武士が日常生活を営む居住地として平地に築いたもので、これまでに西条町、八本松町などの37カ所で遺構が確認されている。
企画展では、あまり注目される存在ではなかった土居屋敷跡にスポットを当て、これまでに発掘調査が行われた5カ所からの出土品を、中世の城跡からの出土品と比較しながら展示している。西条町上三永の荒谷土居屋敷跡や上泓土居屋敷跡からは、中世の土師質(はじしつ)土器や瓦質(がしつ)土器などが出土していて、当時の武士たちの日常をうかがい知ることができる。
同センターの中山学主査は「城跡からの出土品と比較することで、土居屋敷跡の持つ特色や性格が見えてくる。当時の社会状況、西条の武士が置かれていた環境などを知ってもらえたら」と話している。問い合わせは同センター082(420)7890。
(茨木)