春季キャンプ便り〈沖縄編〉
今年のプロ野球ペナントレースは、3月25日からセ・パ一斉のスタートとなる。広島は地元マツダスタジアムで横浜を迎えて3連戦を行う。注目の開幕投手は?
現状ではジョンソン投手以外にない。昨年まで5年連続で開幕投手だった前田のドジャース移籍によって、外国人としてはミ ンチー、ルイスに続いて球団史上3人目の開幕投手をつとめることになる。
日南、沖縄と1か月間のキャンプを、ジョンソンは常にマイペースを貫いた。状態の良さは笑顔から表れていた。「監督からも調整はキミに任せると言われている」と自信がみなぎって いた。下半身をしっかりつくった上で、まずはフォーム固めをしていく。相手の研究を上回る探究心。頼もしく映った。
来日1年目の昨シーズン。前田に次ぐリーグ2位の14勝をマーク。防御率1・85は、最優秀防御率のタイトルに輝いた。安定したピッチングは、広島のエース的存在だ。各チームとも〝主戦投手〟にはキャンプ期間中か、遅くともオープン戦の中盤ごろまでには、監督から本人に開幕投手の指名が伝えられる。
巨人の高橋監督は菅野を、ヤクルトの真中監督は小川を。それぞれの名前が監督から伝えられている。 広島の緒方監督はまだ胸に納めたままだが、近々「ジョンソン」で公表されるだろう。
「いつどこで、どのチームが相手でも自分の状態としてはその試合にベストで臨めるように準備してい る」とジョンソンは、昨年の経験をより生かして今シーズンに挑もうとしている。
キャンプではチェンジアップの握りで「新球開発?」に時間を費やしていたのが目を引いた。外国人 投手はボールの握り方次第で球種の見わけがつかなくなる。「制球がしっかりしたジョンソンはどんなボールを投げてもストライクが取れる。セリーグの中では最も安定したピッチャーです」と首脳陣は安心しきっていた。ベテランの黒田もチェンジアップの修得に投げ込むなか、ジョンソンもチェンジアップ効果で、ピッチングに幅を持たせようとしていた。大瀬良のリタイヤ(右肘痛)もあって先発ローテも厳しくなる中、ジョンソンは順調に仕上げていた。開幕日から逆算。オープン戦登板を経て、第1線のマウンドに上がる予定。
プレスネット2016年3月5日号掲載