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(SUN)

 第49回 「特別インタビュー 連覇への司令塔 石原慶幸」 

  • 2023/08/30

黒田抜けた後…成長はあっても後退はない!!

広島市西区のスポーツジム「アスリート」で汗を流す石原

 日本一奪回へ向けて、広島ナインの自主トレが始まった。昨年、25年ぶりのリーグ優勝に〝女房役〟として投手陣を引っ張った石原慶幸捕手(37)も、すでに広島市内のジムで始動。プロ入り15年目にして初のゴールデン・グラブ賞に輝くなど、リードに円熟味が増した石原に今シーズンに懸ける思いを聞いた。

―まず目標から。

 もちろん連覇です。それから日本一へのリベンジとなる。昨季の日本シリーズで日本ハムに連勝(2連勝)した後の連敗の悔しさは、ぼくをはじめチームの全員が忘れはしない。個人としては若い投手陣をどう 導いていくか。全員が黒田スピリットをしっかり体に染み込ませているし、成長はあっても後退はないと信じている。

―一番気にかかるところだが、黒田の抜けた穴は大丈夫?

 特にうちは有望な若いピッチャーが多い。その中で黒田さんと2年間一緒にやってきて、黒田さんから学んだ遺産は大きい。技術的なものであったり、メンタル面であったり、モチ ベーションだったり、たくさんのものを残してくれた。学んだことを忘れてはならない。

 ―黒田先発イコール石原だったが、リード面で気を付けたことは。

 2年間もバッテリーを組むと黒田さんの考えとか、相手の各打者に対しての攻め方とか、大体呼吸で理解できていた。問題は黒田さんの体調面であったりしたが、相手チームのデータは一般的に胸元への攻めに集中していた。だから外角でストライクを取り、最後は 内角や高めを振らせた。

 ―黒田に集中するが、抜けた投手陣はどう変わる。

 よく聞かれることだ。昨年も前田(ドジャース)がいなくなり大丈夫か大丈夫かと言われたものだ。確かに黒田さんの存在感は大きかった。正直不安な面もある。誰か一人でカバーできるものでもない。ジョンソン、野村を柱に大瀬良、福井、岡田、九里ら若いピッチャーの伸びしろと、新人の加藤(慶応大)も先発ローテーションに十分入れる力を持っている。中継ぎも今村、薮田、一岡に外国人がいる。若い人はメンタルの部分が投球を左右する。メンタル面の大切さを教えてくれた黒田さんの遺産を、個々がどう生かしていくかだ。

 ―最後になったがプロ初のゴールデン・グラブ受賞、少々遅咲きになったが良かったですね。

 優勝したおかげ。特に捕手というポジションはチームが勝ってこそ評価される。もちろんうれしかったし感激もした。まだまだこれから頑張りたい。

プレスネット2017年1月14日号掲載

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