あのヒット商品も東広島で誕生!
大創産業が運営する100円ショップ「DAISO(ダイソー)」。おしゃれブランドとのコラボ商品を続々と発売し、女性の間で話題となっている。その商品を開発しているのも女性。東広島の本社に潜入し、人気の裏側を取材した。
ダイソーが取り扱う全商品約7万アイテムのうち99%が自社開発で、毎月800アイテムの新商品を発表する。その膨大な商品を作り出すのがバイヤー。メーカーと組み、既存の商品をダイソーの客層に合った仕様にして商品化していく。企画から商品開発、販売、売上管理までを、担当者が一貫して行うのが特徴。バイヤー30人のうち半分が女性で、その感性を生かした商品がヒットしている。
中でも2017年にスタートしたプリクラ機の製造販売フリューの社内組織「ガールズトレンド研究所(以下、GT)」とのコラボは、現在、第9弾を準備中という人気シリーズ。バイヤーの松本文さんは「GTの成功を皮切りに、コラボ商品のオファーが多数寄せられるようになった」と話す。そして今、市場を驚かせているのが、ファッションイベント「東京ガールズコレクション(以下、TGC)」とのコラボ商品だ。
ファッションショーをメイン事業とするTGCとのコラボでは、ファッショングッズ、アパレル商品を強化。春夏商品としてサンダル、ビニールポーチ、柄入りでカラー展開のあるTシャツ、ビビッドカラーのベルトやサングラスなど、全40アイテムを8月初旬から順次発売している。最も売れているのがシャワーサンダル(300円)。通常1店舗平均で売れる数よりも3倍以上売れている。
TGCとのコラボは初めてということもあり、準備に1年ほどかけた。通常は4カ月程度で商品化に至る。コラボ商品では、先方からのトレンド感満載のデザインと、ダイソーの品質と安さを両立させるアイデアや、売り上げを押し上げるノウハウを合算させる。そして、メーカーの製造工場でサンプルを作成し、TGCと仕上がりをチェック。これを何度も繰り返して商品となる。
ダイソー商品本部バイヤーの亀田麻美さんによると、コラボ商品はトレンド感が強く、ダイソーで初めて取り扱う商品であることも多い。結果が出せないと2回目はない。「発売1週間で売り上げをチェックし、人気のあるものは追加生産するなどして、売りながら売り上げをつくっていきます」。今回の実績をもとに、現在、第2弾を準備中だ。
「コラボ商品に限らずダイソーの魅力は価格が買いやすいところ。でも、材質とデザインが良くなければ100円でも買っていただけません。安いだけでなく、おしゃれ、かわいいという内容で選んでいただけるような商品を作っていきたい」と亀田さん。ニーズやトレンドは、現場やSNS、海外に仕入れに行った際に現地調査をしてつかむ。「チームで情報やアイデアを出し合い、会話をしながら企画をまとめます。とっても楽しいですね」と松本さん。ミーティングでは「それいいね!」「こんなのどう?」と楽しそうな声が飛び交う。
商品の企画から販売まで全てを管理することへのプレッシャーを松本さんに聞くと「確かにプレッシャーはすごく大きいですが、自分が開発したものが全国、全世界で商品が並ぶかと思うとワクワクします」と笑顔。「断然よいもの、断然かわいいものを世界に届けて、ダイソーの認知度を高めていきたい」と目を輝かせていた。
大ヒットしたTGCコラボ商品
こうやって新商品は生まれる
仕事のやりがいは?
ダイソーっぽくない!?
これが300円!?
潜入企業 株式会社大創産業
住 所 東広島市西条吉行東