瀬木監督に伺った公開までの主な流れ
―撮影が終わり、現在の心境は
アパートも借りて西条に住んでいたのに、それが遠い昔のように感じています。懐かしいような不思議な気持ちです。
―東広島のまちや人の印象はいかがでしたか。
地元の皆さんが「恋のしずく」を応援する会を結成してくださって大変お世話になりました。朝・昼・晩の炊き出し、交通整理、スタッフ・キャストの送迎など、協力という言葉だけではくくれません。映画を見ていただいたら、きっと西条の街の温かさが伝わると思います。
―撮影の手応えは。
日本映画の発祥の地は京都ですが、本作はカメラマン、照明、技術など京都のスタッフと一緒に撮影を行い、日本映画の本流を行っているような映画になりました。川栄李奈さんという人気女優が主演で、青春映画、ラブストーリーにもなっているし、日本映画ここにありというようなしっとりとした感じにもなっています。お子さんからご年配の方まで、どの世代の方にも楽しんでいただける映画になったと思います。
―地域の協力体制を振り返って。
本当に力になりました。僕たちは昼間の撮影以外に夜もずっと翌日以降の準備があり、朝は4時ごろに起きるという本当に過酷な1カ月を過ごしていました。そんな過酷な日々をどう乗り切っていくかというのはやはり皆さんの支えなんです。特に食事が重要になってきます。温かいものは本当に力をいただけます。美酒鍋もよく作っていただいて本当においしかったです。今回、弁当も普通のロケ弁ではなかったんですよ。JAの皆さんのご協力で野菜・肉・魚と、非常にバランスの取れたお弁当を提供していただきました。ご飯が、おいしかった!差し入れの巻きずしは見た目がとてもきれいでした。そんな皆さんに支えられ、一体感のある素晴らしい現場でした。
―主演の川栄李奈さんの印象は。
爆発力のある、素晴らしい芝居をするんです。ユニークなアプローチで芝居をするものですから、何をやってくれるんだろうと楽しみでした。「あっ、こう来たか!」という感じ(笑)。正面から役に取り組んでいるんだけど彼女らしさが随所に出ていると思います。
―最後に、東広島の皆さんに一言お願いします。
撮影の最中は市民の皆さまにお世話になり、お礼申し上げます。映画をご覧いただいてお楽しみいただけたらと思います。ぜひ、ご期待ください。
瀬木監督に伺った公開までの主な流れ
2017年 撮影・編集を終了
2018年
2月 ニューヨークで映画音楽のレコーディング
3月 作品完成
4月 関係者の間で試写会 宣伝活動
秋 公開
せぎ・なおき 1963年生まれ、三重県出身。立命館大学を卒業後、プロダクション勤務を経て独立。2000年に映画制作会社「ソウルボート」を立ち上げた。地方を題材にした作品を多く手掛けている。
ストーリー
ワイナリーで働くことを夢見る大学3年生の詩織(21)。ところが、実習先に決まったのは老舗の酒蔵だった。米農家で蔵人の美咲(33)の家に下宿し、失敗しながらも奮闘する理系女子の恋や友情、家族愛を描く。
監督:瀬木直貴 脚本:鴨義信
出演:川栄李奈、小野塚勇人、宮地真緒、蕨野友也、津田寛治、小市慢太郎 他
製作スタッフからのメッセージ
映画「恋のしずく」
エグゼクティブプロデューサー
中西康浩さん
1年半以上前、瀬木監督から「日本酒を題材にした長編映画で勝負したい」との意欲的なお話があり、単なる映画ではなく、映画創りをてこに地域、そして日本を活性化する地方創生ムービープロジェクトとして全力で取り組まさせていただいています。〝酒都西条〟の皆さま、東広島、広島の方々の熱、そして想いを、キャスト・スタッフ一同で受け止め、渾身(こんしん)の作品として仕上げ全国、世界に広げていきます。今後ともさらなる応援を、よろしくお願いいたします。
映画「恋のしずく」プロデューサー
瀧川元気さん
「日本酒をテーマにした映画を広島でやるよ」と瀬木監督からお話をいただき、お酒で広島?と思いましたが、広島・東広島、中でも酒都西条の街、人、食には僕自身、誰よりも酔い、醸されてしまいました。完成まで手を抜かず、国内外にこの素晴らしい映画を発信したいと思います。そして、僕は第二のふるさととして、これからも帰り続けたいと思います。