台風シーズンに入りました。今年は新型コロナウイルス対策として、国は「分散避難」を呼び掛けています。例年以上に、「いざというとき、どう行動するか」を考えておく必要があります。東広島市の専門家に、避難のポイントを聞きました。
「車中泊」「自宅」「親類・知人宅」なども命を守るための選択肢
これまでは「避難=避難所」と考え、備えて行動してきましたが、新型コロナ禍の今、「車中泊」「自宅」「親類・知人宅」なども命を守るための選択肢の一つとなります。
避難所は「3密」となりやすいですが、「今自分が危険な場所にいる場合は、迷わず避難所に行くことが重要」と、広島大学防災・減災研究センターの海堀正博センター長は強調します。
避難の選択肢
●避難所
今自分が危険な場所にいる場合は迷わず避難所に行く。市は、昨年度より5カ所多い46カ所の避難所を、警戒レベル3から開設していく。避難所での対応については、コロナ対策のマニュアルを作成し、関係者に配布。受付で避難者の体調や基礎疾患などについて確認すること、体調不良者には別のスペースを設けることなどが示されている。
●車中泊
東広島市は、コロナ対策として自家用車での避難場所を準備。一定規模の駐車スペースとトイレがある左下表の6カ所を開設する計画。
●自宅
土砂災害または浸水の危険がある区域やその近くではない場所に自宅がある場合などは、自宅での避難も選択肢に。
●親類・知人宅
安全な場所に住んでいて身を寄せられる親類・知人がいる場合は、そこに避難を。
いずれの避難先にせよ 「早めの行動が重要」 と海堀センター長。「こうしようと思っていても、急に周囲の状況が変わることがあります。西日本豪雨の際も、とっさの判断で明暗の分かれた人が多くいました。日ごろから『もしかしたら、この道は冠水して通れなくなるかもしれない。その時はこのルートにしよう』などと連想し、より多くの行動の選択肢を持っておくと、いざというときに焦らずに行動できます」と話します。
複数の選択肢を、他者と共有するにはコミュニケーションが不可欠。家族、近所の人、勤務先の人、親類・知人などと避難について話すことがポイントとなります。]
専門家のアドバイス
>>自家用車用避難場所の地図とそれぞれのトイレの場所などを確認する