ニホンミツバチの蜂蜜採取が東広島市西条町御薗宇の神尾智さん(70)宅で始まりました。毎年9~10月に行っており、しぼった蜂蜜からはふんわり花の香り。今年の春から夏にかけて咲いた花の蜜の、天然の甘さ。神尾さんの取り組みと、蜂蜜搾りの様子などをリポートします。
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神尾さんの取り組み
神尾さんは、近年減少するニホンミツバチを守ろうと、養蜂仲間でつくる「Bee Bee倶楽部」を立ち上げ、代表を務めています。現在、東広島、竹原、呉、三原の34人がそれぞれの場所で養蜂しています。
メンバーが採取した蜂蜜は、巣箱から半径2~3㌔以内に咲く花から集めた「百花蜜」で、商品名「Kamo Honey」として販売。巣箱ごとに採取し商品化するため、場所によって味が違うそう。非加熱、無添加にこだわり、しぼった後はすぐに瓶詰めし商品化します。
養蜂歴10年の神尾さん。ニホンミツバチ養蜂の普及を目的に、巣箱の制作や飼育の支援なども行っています。「日本固有のミツバチが増え、外来種が増加する生態系を少しでも従来の姿に戻せたら」と話されます。
蜂蜜搾り
防護服を着て、暑さ対策のために巣箱の周囲を囲んでいた板を外し、上部の蓋を開け巣箱を外します。
巣は幾層にもなっていてまだ働きバチがたくさんくっついているのでエアーコンプレッサーで優しく蜂を取り除いていきます。
箱ごと大きな容器に移し巣の落下防止の棒を抜き巣箱と蜂の巣の間にナイフを入れきれいに剥がし蜂の巣だけにします。すでに黄金色の蜜が滴り落ちています。
遠心分離機を使用せず手で絞るので、握れる大きさに切ります。ろ過機の容器の上で次々と絞っていきます。
蜜がたまりコックを開けると、とろーり、と花の香りのする蜜がゆっくりと落ちてきます。販売用の容器に入れふたをし、ビニールで密閉、ラベルを張ると天然、非加熱、無添加の蜂蜜の出来上がりです。
搾りかすからは、蜜蝋も作ることができます。リップクリーム、ハンドクリーム、ろうそくと使い道はいろいろあるそうです。こちらも買い求めることができます。
この日はハチミツ採取に興味がある小学4年生の大石朋輝くんが見学に来ていました。
一人でも多くの人にニホンミツバチに興味を持ってもらいたい、話されていました。