ゴルフ用品を販売するダイナマイト東広島店(西条町土与丸)副店長の古市拓郎さん(38)は、顧客それぞれに合ったクラブを提案するクラブフィッター。ゴルフ愛好者を陰から支える。
古市さんは入社15年目。「プレイヤーが最高のパフォーマンスを発揮できるように」と、店で取り扱うクラブの特性について勉強を続けた。キャリアを積み重ねながら、顧客との信頼関係を構築。今年3月には、PING(ピン)メーカー公認のクラブフィッターの資格を取得した。
クラブの提案(フィッティング)は、顧客の要望を聞くことから始める。その後、試打ブースに移動。実際に球を打ってもらい、弾道計測機のスカイトラックで、ヘッドスピードや打球の上がる角度、飛距離、ミート率などを確認。シャフトの硬さや長さなどをチェックしながら、一人ひとりのスイングに最適なクラブを選んでいく。場合によっては、ロフト角度などクラブの調整も行う。
心掛けているのは、顧客目線でクラブを提案すること。顧客の希望するクラブを二の次にして、「あなたにはこのクラブが合っている」と、クラブフィッティングの無理強いはしない。「ゴルフを楽しむのは、あくまでもお客さま。プロとは違って、ゴルフの目標も人それぞれですから」と話す。
「プレーをする人の思いに近づきたい」と、社会人になって自らもゴルフを始めた。「自分もプレーしているお陰で、お客さんのゴルフの悩みに、スッと入っていける。仕事にも役立っている」と目を細める。
仕事の喜びは、フィッティングをしたプレイヤーがゴルフ場で躍動する姿を見たり、聞いたりすること。フィッティングが奏功して、全国レベルのアマチュアのシニア大会に出場した人もいる。「お客さんの喜ぶ姿に接するのが一番の幸せ。これからもゴルフとの関わりを通して、人として成長していきたい」と言い切る。
写真 Tadashi Ooya
文 Takenobu Hikawa