東広島市西条町助実のエキヒロスポーツの店長・伊藤彰彦さん(40)は、ラケットにガットと呼ばれる糸を張って15年。中学校、高校のソフトテニスが盛んな東広島市で、プレーヤーを支えている。
同店はラケット競技の用品を中心に取り扱っており、中でもソフトテニス用品の品ぞろえは地域ナンバーワンと胸を張る。ガット張りは、ソフトテニス、硬式テニス、バドミントンのガット張りを店内で行っている。
「ガット張りは繊細」と伊藤さん。ガットの引っ張り具合、器具で糸を挟む強さの微妙な力加減で、仕上がりが変わってくる。指先で常に糸の張り具合を確認しながらラケットに通していく。ガットの張り具合でパフォーマンスが変わるほど、重要性の高い作業。「伊藤さんにお願いしたい」という人もいるという。
伊藤さんと同店のスタッフ2人は、ガットメーカーGOSEN(ゴーセン)の「張人(はりびと)」の称号を取得している。ガット張りは、同じラケット・ガットでも、一人一人癖が出るもの。スタッフ同士でチェックしあって、きちんと張れているか、お客さんの要望に応えているかを確認したり、新発売の商品の特性や相性などを共有したりしている。「張りの技術を高め合っていく大切な工程です」だいう。
「お客さんからの『使って良かった』という声が励み。いつでも自信を持ってラケットに向かえるよう、常に技術を高めていきたいです」と伊藤さん。
写真 Tadashi Ooya
文 Reiko Hashimoto