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東広島の一級建築士によるコラム 第8回 テーマ「東広島あるあるを解消し、地球を守る家づくり」

  • 2023/05/18

家や建築に関するさまざまな話題をシリーズでお届けします

アリクコラム_2301
高断熱化住宅のイメージ

高断熱化は
家計にも健康にも好影響

栁河元木さん
一級建築士 栁河元木さん
アリクデザインスタジオ 代表取締役
目次

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内窓の取り付け工事 比較的安価

 今年のお正月は過ごしやすい日々でした。といっても、外は暖かいのに家の中が寒い、という「東広島あるある」を実感した方も多いと思います。

 家を暖かくするには、高気密高断熱化が効果的です。断熱性能が低いと、家の中を暖めても熱が外に逃げ、光熱費は高くなる一方。光熱費を抑えるには、エネルギーの消費量を減らすための住宅の高断熱化が欠かせません。

 高断熱の家といえば、省エネ住宅「ZEH(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウスの略)」があります。エネルギー効率を高めた構造と、太陽光発電などによる発電でエネルギー消費量を実質ゼロに抑えられる住宅です。壁や屋根の断熱強化のリフォームも効果的です。

 一定基準を満たすことで、補助金や税金の優遇措置の対象になります。新築やリフォームまで大がかりでなくても、内窓の取り付けなら工事が簡単で比較的安価です。二重窓で空気の層をつくって断熱します。

室温18度以上を推奨

 高断熱で室温を保つことは、健康にもよいことが知られています。WHO(世界保健機構)は20 18年11月に、冬の住宅の室温は18度以上を強く勧めています。国土交通省がまとめた「断熱改修等による居住者の健康への影響調査(中間報告)」によると、室温が低い家では、コレステロール値が基準範囲を超える人、心電図の異常所見がある人が多いという結果も発表されています。一度、自宅や実家の室温を計ってみてください。

二酸化炭素排出量の削減につながる

 高断熱化は今、世界が向かっている「脱炭素化」社会にも大きな役割を果たします。断熱性能が高い家では暖房の使用量が減ることで、電気の消費量も減り、二酸化炭素の排出量を削減できます。

 脱炭素化でいえば、建物の木材利用もすすめられています。木の光合成で取り込んだ炭素は、燃やさない限り木の中に蓄えられ続けられます。木材を使った建設の二酸化炭素排出量は他の素材と比べて少ないことが分かっています。大型施設でも、柱と梁に木材を使うなど木造化への動きが出始めています。住宅の大半は木造です。家づくりで地球を守っていると考えるとなんだか誇らしいですね。

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