東広島市消防局管内では2022年、前年より22件多い130件の火災が発生した。大切な命や財産を火災から守るために、日ごろから防火意識を高めておきたい。特に春は空気が乾燥し風が強いため、全国的に火災が多発する。火災を防ぐために知っておきたい話題を集めた。(生活取材班)
家庭ごみを回収するごみ収集車の火災が各地で発生している。中身の残ったスプレー缶などが原因で、東広島市消防局管内でも昨年、おととしにそれぞれ1回発生している。
小型充電式電池も原因に
中身が残ったスプレー缶やカセットボンベ、ライターをごみに出すと、次のような原因で発火する可能性がある。
①「燃やせるごみ」など異なる分別に混ざった場合、ごみ収集車が圧縮しながら回収するため、強い圧力による衝撃で破裂・発火する。
②ごみ収集車の中で缶が破損した場合、漏れた可燃性ガスが充満し、衝撃などの火花をきっかけに発火する。
また、スマートフォンやゲーム機などに使用されている小型充電式電池も同様の危険性がある。強い衝撃を受けると、発熱・発煙が生じ、発火。小型充電式電池が原因となるごみ収集車やごみ処理施設の火災が全国で増加している。
東広島市では、スプレー缶・カセットボンベは「ビン・缶」、ライターは「有害ごみ」、小型充電式電池は、製品から外せる場合は「有害ごみ」、外せない場合は「燃やせない粗大ごみ」の分別で出すことが決められている。市消防局は、「誤ったごみ出しが火災につながる。ルールを守って火災防止を」と呼び掛けている。
住宅用火災警報器 点検・交換を!
東広島市消防局「かえるンジャー」でアピール
住宅用火災警報器の設置と新品への取り替えを推進しようと、東広島市消防局は職員でイメージキャラクター「住警器戦隊かえるンジャー」を結成。イベントや動画を通して、住警器の効果や交換の必要性をアピールしている。
キャラクターはレッド、ブルー、グリーンの3人で、2016年に初登場。11月の消防・防災フェアなどに出演して寸劇をしたり、市の公式YouTubeチャンネルにレッドが動作確認する動画を公開したりした。動画では、古い住警器は電子部品の寿命や電池切れなどで、火災を感知しなくなっている可能性があることを説明。「10年たったら、見た目はきれいでも、かえるンジャー!」と説明している。
消防庁が住宅火災の被害状況を分析したところ、警報器が設置されている場合は、設置されていない場合に比べ、死者数と焼損床面積は半減、損害額は約4割減だったという。
2022年6月1日時点の東広島市消防局管内の設置率は82%。
消防Q&A
Q 消防団はどんなことをするのですか。また、女性も入団できますか。
A 消防団は、性別・職業を問わず「自分たちのまちを、自分たちで守りたい」という思いの団員で組織された消防機関です。火災現場での消火、地震や風水害などの災害発生時の救助・救出、警戒巡視、避難誘導などに当たります。平常時には、火災予防、災害対応訓練、機械器具の点検などを行っています。
活動服などが貸与され、階級に応じた年額報酬や出動報酬などが支払われます。
今年の4月1日には、災害対応、火災予防の啓発など、それぞれの役割に特化した機能別団員を導入するほか、女性団員で構成する「女性方面隊」を創設します。女性方面隊は、幼稚園や事業所などの地域との連携を強化し、「自助・共助」の意識の醸成を図ります。関心のある方はお問い合わせください。消防団係082(422)6062へ。