全国で広がりつつある「コミュニティ・スクール(学校運営協議会制度)」。学校運営協議会は、学校の運営方針を承認したり、学校運営に関する意見を述べたりするなどの役割を持っています。東広島市でも、制度の導入が進んでいます。
監修 東広島市教育委員会
目次
コミュニティ・スクール(学校運営協議会制度)とは
コミュニティ・スクール(学校運営協議会制度)とは、学校と保護者や地域の方がともに知恵を出し合い、学校運営に意見を反映させることで、一緒に協働しながら子どもたちの豊かな成長を支え「地域とともにある学校づくり」を進める仕組みです。
学校運営協議会の役割
学校運営協議会は、学校に通う児童・生徒の保護者や地域住民、有識者などで組織します。
そしてその主な役割は、
・学校運営の基本方針を承認する
・学校運営に関する意見を、学校や教育委員会に述べることができる
・教職員の任用に関する意見を、教育委員会に述べることができる
と定められています。
これだけ見ると、まるで地域が学校を監視するように見えますが、実態はそうではありません。
高齢者と児童が一緒に農業体験をしたり、
学校併設のコミュニティハウスを地域活動の場として活用し情報交換したり、
地域に根付く文化を住民から児童に教えたりと、
「地域とともにある学校づくり」を目指している事例が全国に数多くあります。
参考:全国の取組事例はこちら(文部科学省特設サイト「学校と地域でつくる学びの未来」)
2022年5月1日現在、全国の公立学校のうち4割を超える学校がコミュニティ・スクールを導入し、前年度と比較して3,000校以上も増加しました。
各地で広がる地域ぐるみの学校運営は、東広島市にも広がっています。
東広島市のコミュニティ・スクール
東広島市でも2018年度からコミュニティ・スクールの導入が進められています。
2022年5月1日現在、20の学校運営協議会が設置されています。
保護者や地域住民、学識経験者などが集まって学校と協力し、「地域の中の学校をどうしていきたいか」「子どもたちにどのように育ってほしいか」ということを共有して、組織として、長期的に進めています。
様々な立場の人が、課題やビジョンを深く考え議論することで、それぞれの立場での役割も深く理解でき、さらに自信を持って役割を果たすことにもつながるかもしれません。
コミュニティ・スクールにより、授業や部活動への住民参加も、より積極的なものになります。
さらに、地域内でのつながりが希薄化していると言われる時代に、新しい住民同士のつながりも期待できます。
東広島市では、令和6年度までに全小中学校にコミュニティ・スクールが導入される予定となっています。
御薗宇小学校の場合
御薗宇小学校は令和2年度にコミュニティ・スクールを導入しました。
学校での児童のようすについて尋ね、地域での児童のようすについて情報共有するなど、初めて開かれた会議から運営委員が積極的に取り組み、子どもたちの成長のために何ができるか、真剣に考えています。
運営委員は、地域で活動する他の人たちとともに、児童の学習も支えています。
これまでに、交通指導員とともに交通安全教室を開催したり、社会福祉協議会や民生委員らとともに車いす体験をサポートしたりするなどの活動を行ってきました。
コミュニティ・スクールが始まって2年、学校としてどんな変化を感じているのでしょうか。
御薗宇小学校に伺いました。
―コミュニティ・スクールになって変わったことは。
子どもたちが「こんなことを知りたい」「こんなまちになったらいいな」という思いに対し、「やってあげる」ではなく、ただ「その思いを子どもたちと一緒に実現させたい」と大人たちが協働するようになったことです。
地域の人との学習で、より人を知り、できることが増えていくことが、児童の自信や成長につながっていると感じます。
―地域の皆さんはどのように関わっていらっしゃいますか。
児童の思いを実現させようと、地域の人同士が新たにつながり、これまで学校に来る機会のなかった人も学校とかかわりやすくなった、という声も聞きます。
地域に開かれた学校
学校は子どもたちの学び場だけでなく、地域行事の会場になったり、災害時の避難所になったりと、様々な役割を果たしています。そして未来を担う子どもたちの成長は、地域の宝。
これからも地域みんなで考えながら「地域とともにある学校づくり」が進められていきます。
【問い合わせ】
東広島市教育委員会 学校教育部指導課
電話:082-420-0976