ここが充実!東広島の学校教育
東広島市は、学校教育を充実させるさまざまな取り組みを行っています。その現場をちょっと拝見。特色ある取り組みのうち三つをリポートします。(東広島市提供)
目次
全ての学校で和文化を学ぶ 一校一和文化学習
他国の文化を尊重する心や思いやりの心を育む
東広島市は2008年から「一校一和文化学習」として、市立の幼稚園、小・中学校で和文化学習を取り入れています。全ての学校で和文化学習に取り組むことは先進的で、2008年、2011年に和文化の全国大会が同市で行われたほどです。地域に根付く伝統や日本の文化を教材としており、とんどや米づくり、和太鼓や茶道をはじめ、酒造りや地域の偉人を題材とした総合表現など、それぞれの学校がさまざまな和文化を学んでいます。
市教委は学習のねらいについて、「地域や日本の文化を大切にすることで、東広島市の地域・文化を知り、誇りを持つとともに、他の地域や国の文化を尊重する心を育みたい。それが、他者への思いやりにもつながると考えています」と説明。将来、国際社会で活躍できるように、という願いも込めているそうです。文化の継承だけでなく、子どもたちの将来を見据えた取り組みです。
質の高い学びの場! 大学と連携した授業
学校や地域をつなぐオンライン学習
東広島市では、市内にある大学と連携した質の高い学習を実施しています。その一つが広島大学と連携して行っている「広域交流型オンライン地域学習」。オンラインで学校や地域とつながり、中継などを交えながら、リアルタイムで意見や情報を共有します。同大の草原和博教授が授業を進行し、参加校の教室では学級担任と大学院生が授業をサポート。中継先では、大学院生が現地からの実況や関係者へのインタビューをします。単元によっては9校19学級600人以上の児童が同時に授業を受けました。
大学教授などによる出前講座
もう一つが「科学の芽育成講座」。理科や算数・数学に対する興味・関心を高めることを目的に、広島大学、近畿大学工学部、広島国際大学の教授などが体験型の出前講座を行います。子どもたちは、専門的な話や実験に興味津々。2019年からこれまでに計166学級で講座が行われています。
いずれも市内に大学のある東広島市ならではの取り組みです。
地域とともに学校を運営! コミュニティ・スクール
目指す子ども像を共有し、そのためにできることを実行
東広島市は、コミュニティ・スクール(学校運営協議会を設置した学校)の導入を進めています。学校運営協議会は、保護者、地域の代表、学識経験者などで組織します。学校運営の基本方針を承認したり、学校運営について意見を述べたりするなどの役割を持っています。
2022年5月1日現在、20の学校運営協議会が設置されています。「子どもたちにどのように育ってほしいか」ということを学校と共有して、そのためにできることを対等な立場で考え、長期的な計画を立てて実行します。
2020年度に学校運営協議会を設置した御薗宇小学校では、子どもたちの「こんなこと知りたい」「やってみたい」という思いの実現に向けて大人たちが協働しているそうです。「地域の人との学習で、一緒に遊んだり活動したりしたことが、児童の自信や成長につながっていると感じます」と榎並愛子校長。
東広島市では、2024年度までに全小中学校にコミュニティ・スクールが導入される予定です。