東広島市と大学が協力して、持続可能なまちづくりを目指す「Town & Gown(タウン・アンド・ガウン)構想」。どのような構想かを取材する中で、筆者がわくわくした「スゴイ」ポイントをリポート。(東広島市提供)
目次
研究力や技術を生かして持続可能なまちづくり
Town & Gown構想では、市の行政知識・データと大学の研究力を活用して、地域課題を解決したり、新技術を地域に実装したりして、地球や人にやさしいまちづくりに取り組みます。
現在は、広島大学とのTown & Gown構想が先行的に進められています。この構想に賛同した企業も参画していて、広島大学の「ミライクリエ」にあるオフィスでは、市、大学、企業の人材が机を並べて、一緒に構想を推進しています。
将来のまちのビジョン「持続可能なまちづくり」の実現へ向かって、市と大学が組織的に連携します。組織同士でここまでの規模の連携は、国内ではここだけだそうです。スゴイ! この構想の推進で、地域と大学がさらに発展することも目的です。そのための環境や体制、将来の東広島像のスケールが大きくて、スゴイ!
大学や地域が実証フィールド
新技術の開発がより迅速にできる
構想に基づいたプロジェクトで実証実験が必要な場合、広島大学東広島キャンパスを小さなまちに見立てて、または地域の一部で実証実験を行い、その結果を踏まえて技術を完成させ、広い地域に展開していきます。市と大学が連携しているからこそ、迅速に進めることができるのです。スゴイ! 2021年3月から約1年間、東広島キャンパスと西条下見地区の一部で行われた自動運転車の運行もその一環でした。
現在、ローカル5G、二酸化炭素の排出と吸収がプラスマイナスゼロになる仕組みづくりなどに取り組んでいます。今は大学内だけの取り組みも、今後、地域で展開されると思うと、楽しみですね。
「ドラえもん」のような組織!?
企業・大学がアイデア出し合う
構想を進める中で、賛同する企業が集まったことから、共同事業体「広島大学スマートシティ共創コンソーシアム」が設立されました。現在、10社が参加。地域課題などに対して、各分野の企業がアイデアを出し合い、大学とその周辺を実証・実装の場としたまちづくりの検討をします。
市の担当者によると、Town & Gown構想におけるコンソーシアムは、例えるならばドラえもんのよう、だと言います。「何とかして!」と地域の困りごとを伝えると、それを解決する道具が出てくるイメージ。スゴイ! 近未来的でわくわく!
世界から研究者が集まる
まちに活気や雇用が生まれる
構想は、未来ビジョンとして、世界の優秀な若者や起業家、研究者に選ばれる環境を構築・展開することを掲げています。スゴイ! グローバル! 多様な人材が集まり交流することで、イノベーション(新しい価値を生み出す変革)が起きたり、まちに活気や雇用が生まれたり。定住者が増えれば人口も増加し、持続可能なまちにつながる、というストーリー。
一方で、外国人も住みやすいまちづくりも同時に必要となります。それを進めるときに出てくる課題は、Town & Gown構想の体制で取り組む、というように、ビジョン達成へ向けたアクションを多角的に実施します。ますます国際化が進みそう!
文・イラスト 橋本礼子