住む人が笑顔になるような家づくりに取り組んでいる東広島の建築士3人に、工夫や思いを聞きました。
木村哲也さん/木村哲也建築デザインオフィス
家を建てる「人」に寄り添った建築家ならではの提案を
最近では、新築よりもリノベーション・リフォームをする仕事が増加傾向にあります。種類はさまざまで、実家を2世帯住宅にしたり、空家を購入した後に改装したりするケースもあります。
家づくりの打ち合わせをする時、そこに住む人の生活をイメージしながら提案します。小さなお子さんがいる家族には、美術館のようにずっときれいな家よりも保育園のような自由でみんなの顔が見渡せる空間をアドバイスしますし、高齢の夫婦の場合は、今の技術を組み込んだ温かい家づくりの提案をします。中でも、家事動線については気を配ります。夫婦どちらの意見もしっかり聞き取りながら、共同して家事がやりやすいように設計しています。
中土居美代子さん/sunoma一級建築士事務所
お客さまが好きなことや物… 生き方を感じ取りプランに反映
家づくりで一番大切にしていることは「居心地の良さ」です。くつろぐことができ、わが家が一番と思える空間づくりを心掛けています。
お客さまと打ち合わせするときは、希望の間取りを聞くというより、なぜ家づくりを始めようと思ったのか、どんな暮らしをしたいか、好きなことや物は何か…など、さまざまな質問や会話をし、その人の生き方を感じ取り、それをプランへ反映していきます。男性と女性の建築士の二人体制でお話を聞きます。これによって、さまざまな目線、角度からの提案ができます。
また、建てる場所のメリットを見つけ、室内からの眺めや外部からの見え方などを十分に考えた上で、居室の配置や窓の形・大きさを決めることも大切にしています。
柳河 元木さん/アリクデザインスタジオ
予算と夢をいかに近づけるかが建築士としての役割
家づくりを提案する時に心がけていることはクライアントの要望をしっかり話を聞くことです。どんな家族構成で、どんな趣味を持っているのか。どんな外観の家が好みか、日当たりはどうかなど抽象的な話から具体的な話に落とし込み、具現化させていきます。
最近では、土地を購入してから打ち合わせに入るケースが多く、予算と夢をいかに近づけることができるかが大切になってきます。インナーガレージ付きの家を最近手掛けたのが印象に残っています。
また、アパートやマンションの依頼では、他物件と差別化できるデザインや最上階の部屋にロフトを付けたりといろいろなニーズに対応できる家づくりを進めています。