12/31

(TUE)

西条ロータリークラブが60周年 国際奉仕活動に尽力 リーダー的な団体に

  • 2024/05/20

 東広島市内に拠点を構える奉仕団体の西条ロータリークラブ(奥本哲之会長)が創立60周年を迎え、5月11日、記念式典を開いた。60年の間、「地域社会に奉仕の理想を開花させよう」をスローガンにさまざまな事業を行ってきた。

目次

目次

 

60周年記念式典から

1975年に姉妹縁組を締結した光州ロータリークラブ

1975年に姉妹縁組を締結した光州ロータリークラブ。これまでの功績をたたえ、光州ロータリークラブの林忠稻会長(右)に感謝状を贈呈


県パラスポーツ協会に車いすバスケットボール用車いすを寄贈

60周年記念事業で、県パラスポーツ協会に車いすバスケットボール用車いすを寄贈することになり、同協会の熊谷聡一郎事務局長(右)に目録を贈呈


記念式典に先立って講演をする伊東大輔さん

記念式典に先立って講演をする伊東大輔さん(アドダイス代表取締役CEO)。独自のAI(人工知能)基盤技術を開発。AIの可能性について訴えた



近年の主な事業

タイの山岳民族家庭崩壊児童施設を支援

タイの山岳民族家庭崩壊児童施設を支援

タイ北部の村で、親が麻薬に侵されて家庭が崩壊し行き場を失った子どもたちの生活を支えている施設に対して、ロータリークラブ会員が子どもたちの里親になるなど、2015年から支援を続けている。19年には、子どもたちの成長に必要な栄養源を確保するため、ナマズの養殖池を設置。ナマズをはじめとした魚を養殖している


こども食堂支援

こども食堂支援

さまざまな困りごとを抱えた子育て家庭の子どもたちや、一人暮らしのお年寄りらに食を提供するこども(地域)食堂。2022年から市内の各所で取り組みを始め、プロの料理人が心のこもった料理を提供している。西条ロータリークラブ会員と地域との交流の場にもなっている


中学生英語暗唱大会

中学生英語暗唱大会

中学生の英語力を高めようと2011年から、中学生英作文コンクールを引き継ぐ形で開催。毎年東広島市内の90人前後の中学生が参加。優秀な生徒がロータリークラブの例会で発表する



奥本哲之会長に聞く

奥本哲之会長
奥本哲之会長

 ―60周年を迎えての思いは。

 東広島市が誕生する前の1964年の創立で、私の人生よりも長いですからね。歴史の長さを感じると同時に、奉仕団体としての責任の重みを痛感しています。

 ―国際奉仕活動は、クラブの柱の事業の一つです。

 1975年に、韓国の光州ロータリークラブと姉妹縁組を締結したことを機に、両クラブに共同プロジェクトとして、青少年のための教育基金を設立。毎年、相互訪問を続け、両国の青少年育成や交流に尽力しています。また、89年には、25周年記念事業として西条ロータリークラブ外国人留学生文化交流基金を設立し、毎年、市内の大学に通う留学生一人に、奨学金の支給を行っています。95年からは、青少年の交換留学生の派遣にも取り組んでいます。
 近年では、タイ北部で親が麻薬に侵され家庭が崩壊し、行き場を失った子どもたちへの支援活動を行っています。

 ―60周年の主な記念事業は。

 三つあります。一つは先ほどのタイの子どもたちを対象に、インターネットを活用した日本語教室を開きます。日本語を学んでもらうことで、子どもたちの就労支援につながればと願っています。
 県立綜合リハビリテーションセンター内(西条町田口)に事務局がある広島県パラスポーツ協会には、車いすバスケット用の車いすを贈ります。健常者と障がい者が同じ目線で楽しめるパラスポーツは、ロータリークラブの推奨するダイバーシティに他なりません。その思いから寄贈を決めました。
 もう一つは、まだ情報開示ができませんが、今年が市制施行50周年の東広島市の協賛事業に特別後援します。

 ―これからの思いは。

 現在、東広島市には八つの奉仕団体があります。その8団体の中では、西条ロータリーが最も歴史が古く、市のリーダー的な奉仕団体として、地域のニーズに合った事業に率先して取り組みたいと思っています。
 もう一つ、8団体の合同事業ができたらな、と願っています。奉仕の気持ちには垣根はありません。みんなで夢を膨らませながら、意義のある奉仕活動が展開できたらいいですね。



~60年の歩み~

1964年
  広島西条ロータリークラブ創立

1974年
  10周年事業で東広島市ロータリー文庫設立(1992年事業終了)

1975年
  西条ロータリークラブに名称変更
  韓国・光州ロータリークラブと姉妹縁組締結(現在も継続)

1979年
  全国のロータリアンが外国人留学生を支援する米山奨学生の受け入れ開始(現在も継続)

1980年
  西条ロータリークラブ光州奉仕基金設立、ロータリー財団の奨学生の受け入れ開始(現在も継続)

1981年
  西条農高に奉仕活動に参加するインターアクトクラブを創設、活動支援(1990年終了)

1987年
  スポンサークラブとして東広島ロータリークラブ創立

1989年
  東広島の大学に通う留学生に奨学金を支給する西条ロータリークラブ外国人留学生文化交流基金を設立、92年から支援開始(継続事業)

1993年
  中学生英作文コンクール開催(2010年事業終了)

1995年
  JR西条駅前に常駐の駅前交番設置

2001年
  スポンサークラブとして東広島21ロータリークラブ創立

2004年
  ロータリー地域社会共同体(RCC)東広島こころ塾結成(2014年活動終了)

2011年 
  中学生英語暗唱大会開催(継続事業)

2014年
  50周年事業で東広島市に世界時計寄贈

2015年
  国際奉仕事業としてタイ山岳民族家庭崩壊児童施設への支援開始(継続事業)

2019年
  55周年事業として同児童施設の子どもたちの食糧支援となるナマズ養殖池を建設

2022年
  地域食堂への支援開始(継続事業)

記者の画像

プレスネット編集部

広島県東広島市に密着した情報を発信するフリーペーパー「ザ・ウィークリープレスネット」の編集部。

東広島の行事やイベント、グルメなどジャンルを問わず取材し、週刊で情報を届ける。

おすすめ記事

新着記事