空気が乾燥する3~5月は火災が発生しやすいため、火の取り扱いにはより一層の注意が必要。また、地震をきっかけとした火災を防ぐためにできることなどを確認し、いざというときに備えておきたい。3月1~7日は春の全国火災予防運動。防火のアクションを再確認しよう。(生活取材班)
元日の能登半島地震もそうだったが、大規模地震のときには火災が発生する。
その原因の多くに、電気が関係している。発災直後、揺れによってヒーターなどの暖房器具に可燃物が接触、建物内の電気配線が損傷しショートするなどして着火するケースや、発災後しばらくして停電が復旧したときに、スイッチが切れていない電化製品に電気が通って発火・着火する「通電火災」も多く発生している。
通電火災の場合、住民が避難所などへ避難していると初期消火が行えず、被害が拡大することも考えられる。「命や財産を火災から守るためにも、家具の転倒防止策などを行い、いざというときの行動を家庭や職場で確認してほしい」と東広島市消防局。
今日からできる!
□住まいの耐震性を確保する
昭和56年5月31日以前に着工された木造住宅を対象に、市が耐震診断を実施。
□家具等の転倒防止対策(固定)を行う
家具の固定や配置の見直しのポイントをひとり暮らしのAさんの部屋を例に説明
□感震ブレーカーを設置する
設定以上の揺れを感知したとき、電気を自動的に止める機器。内蔵型や後付け型などがある。
□ストーブ等の暖房機器の周辺は整理整頓し、可燃物を近くに置かない
□住宅用消火器を設置し、使用方法を確認する
天ぷら油やストーブから火が出た場合などの初期消火に有効。消火実験の動画を見る
□住宅用火災警報器を設置する
住宅火災による死者のうち約6割が逃げ遅れ。いち早く火災に気付くため設置を。
いざというとき
地震直後
□停電中は電化製品のスイッチを切るとともに、電源プラグをコンセントから抜く
□石油ストーブやファンヒーターからの油漏れの有無を確認する
□避難するときはブレーカーを落とす
電気やガスの復旧、避難から戻ったら
□ガス機器、電化製品や石油器具の使用を再開するときは、機器に破損がないこと、近くに燃えやすいものがないことを確認する
□再通電後は、しばらく電化製品に煙やにおいなどの異常がないか注意を払う
日ごろから
□消防団や自主防災組織などへ参加する
□地域の防災訓練へ参加するなどし、発生時の対応のこつを得ておく
火災の原因 火入れ・たき火が最多
東広島市消防局は東広島市、竹原市、大崎上島町を管轄。2023年の火災件数は123件で、おおむね3日に1件、発生していることになる。
件数・死傷者数はいずれも前年に比べて減少したが、林野火災と車両火災は前年より増加した。
■火災件数
■火災による死傷者数
■火災原因
第1位 火入れ…28件 ※枯れ草焼き
たき火…28件※たき火、虫焼火、たき火の火の粉
第3位 ごみ焼き…11件 ※火のついたゴミ
※東広島市消防局管内
※その他の火災は、枯れ草焼きやあぜ焼きなどによるもの
※2023年は速報値
過去にはこんな原因も…
・コンロやろうそくの火が、衣服に燃え移った
・鍋などを火にかけたまま他のことをしていたり、寝てしまったりした
・誤ってコンロに可燃物を置いて火をつけた
・電気機器が故障していた
・ストーブ(灯油・電気)などを消し忘れた