東広島市と大学が共に持続可能なまちづくりを行う「Town&Gown(タウン・アンド・ガウン)構想」。市と広島国際大学(同市黒瀬学園台)は「東広島健幸ステーション」を立ち上げ、「健康」と「幸せ」をテーマに取り組んでいる。ステーションの概要や進行中のプロジェクトの一部を紹介。
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広島国際大学Town&Gownoffice
東広島健幸ステーション
大学・企業の知見を地域で生かす!
東広島健幸ステーションは、東広島市、大学、企業・事業所、地域住民の連携窓口として、広島国際大学の中にオフィスを置いている。肉体的、精神的、社会的に健康であること=幸福度(Well-being)の向上を目的に、福祉に強い同大の知見や地元企業・事業所の特色を活用して、地域をフィールドに共同研究や人材育成を行う。現在、市と大学で3つの共同研究(COMMONプロジェクト)が進められている。
COMMONプロジェクト01
睡眠測定分析による睡眠マネジメントの効果検証
広島国際大学健康科学部 田中秀樹学部長 × 東広島市健康福祉部医療保健課
【課題】働く世代の多くが睡眠で休養できていない
【検証】睡眠を見える化して、その人の性格や睡眠習慣に合わせて、改善メニューを実施し、効果を検証。
より効果的な改善メニューも研究
企業の社員を対象に、睡眠測定専用端末を用いて、睡眠の質、量、生活リズムを測定し、心身の健康、ライフスタイル、性格との関連を分析。具体的な改善メニューを提案・指導するとともに、企業の担当者が睡眠について学ぶなど、より効果的な改善メニューを研究・構築する。
COMMONプロジェクト02
若者の自死予防に役立つ心の健康教育プログラムの構築
広島国際大学健康科学部心理学科 西村太志学科長 × 東広島市健康福祉部医療保健課
SNSは自死予防に有効か
アンケート調査で若者の心の現状を把握し、それに応じた心の健康教育プログラムを構築する。SNSとオフラインを活用した、気軽に利用しやすい健康教育プログラムを活用方法とともに作成する。
今後は、大学生を対象に健康教育プログラムを試行。効果を検証し改良していくことを検討している。
【課題】全国的に自殺率が上昇している
【開発】コミュニケーションの中でお互いに心の不調に気付き、適切な対応がとれるような研修プログラム。
COMMONプロジェクト03
プレフレイル状態の高齢者のトレーニング手法などの開発
広島国際大学総合リハビリテーション学部リハビリテーション学科 山﨑貴博准教授 × 東広島市健康福祉部地域包括ケア推進課
【課題】運動習慣が定着しない
【開発】運動が定着するよう、オンライン会議ツールを使って遠隔指導するトレーニングメニュー。
遠隔指導で身体の活動量を増大
心身がフレイル(虚弱)の手前(プレフレイル)の状態にある高齢者が、積極的に介護予防の運動に取り組み、習慣化するようなトレーニング手法を開発。すでにオンライン会議ツールを使った遠隔指導とメールでの指導を実施している。
今後も継続し、方法が確立すれば、通いの場やサロンでの展開に移すことを検討している。