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ライドシェアへの期待 ~国交省発表資料から~

  • 2024/10/16

「観光の足」「地域の足」に

 国土交通省は、9月4日、第2回 国土交通省「交通空白」解消本部を開催し、「地域の足」「観光の足」の対策の取り組み状況等の資料を公表している。その中の一つ、「地域の足」「観光の足」の対策の取り組み状況によると、地域の足対策として、全国各地の自治体で、公共ライドシェア、日本版ライドシェア、乗合タクシー等の導入や拡充を通して、交通空白の解消を目指すとしている。
 観光の足対策として、主要交通結節点(主要駅、空港等)において、タクシー等を来訪者が利用できる状態を目指すとしている。さらに、国土交通省は、官民の総力をあげて交通空白解消に向けた実効性かつ持続可能性のある取り組みを推進するため、「交通空白解消・官民連携プラットフォーム(仮称)」を設置するとしている。



日本版/公共ライドシェアの運行状況

■農村地域の上美生(かみびせい)地区において、地域が主体となって交通手段を確保するため、NPO法人上美生が2021 年1月より、公共ライドシェアを開始
■住民の通学や通院などに活用

8/21 大臣視察
8/21 大臣視察

■農村地域の居辺(おりべ)地域における交通手段は曜日限定のコミュニティバスに限定されており、住民の移動手段確保が課題
■信書の秘密に留意しつつ、郵便局の取集作業と移動ニーズが重なる場合に、公共ライドシェアを活用した貨客混載の実証実験を予定(2024年秋頃)

8/22 大臣視察
8/22 大臣視察

■広島(広島交通圏)では、5月31日より日本版ライドシェアを開始
■一部の事業者では、増加する外国人観光客への対応等のため、外国人の一般ドライバーによる運送サービスを実施

8/26 大臣視察
8/26 大臣視察

出典:「地域の足」「観光の足」の対策の取り組み状況(第2回 国土交通省「交通空白」解消本部 配布資料)



【観光の足】交通空白の解消に向けた取り組み事例

取り組み類型1:日本版/公共ライドシェアの導入

○ 新石垣空港、石垣港を含む市内全域で、日本版ライドシェアの運用を8月16日に開始
○ クルーズ船到着時等の二次交通需要に応えることも期待される

事例① 新石垣空港、石垣港【沖縄県石垣市】

○ JR・ハピラインふくい敦賀駅を含む市内全域で、日本版ライドシェアの運用を8月30日から開始
○ 北陸新幹線開業を契機とした観光客の移動需要にも応えることが期待される

事例② 敦賀駅【福井県敦賀市】

取り組み類型2:乗合タクシー等の導入、タクシーの利用環境改善

○ 観光スポットや宿泊施設・飲食店などを巡ることができる乗合オンデマンド交通「よぶのる角館」を実証運行中
○ JR東日本の観光MaaSサイト「TOHOKU MaaS」または電話から予約可能〔実施主体:仙北市、JR東日本〕

事例① 角館駅【秋田県仙北市】

○ 富士山周辺エリアの6市町村で、8月1日よりタクシー配車アプリ「GO」のサービス提供を開始
○ 訪日外国人旅行者を含む多くの観光客が利用〔実施主体:GO株式会社〕

例② 河口湖駅等【山梨県富士河口湖町等】

○ タクシー不足に対応するため、札幌等の事業者から車両・乗務員を応援派遣する取り組みを、多客期(冬期)に実施予定
○ 昨年度の運行実績等を踏まえ、オーバーツーリズム対策として車両数を増やすなどサービスを拡充予定〔実施主体:北海道ハイヤー協会、倶知安町、ニセコ町、GO株式会社〕

事例③ 倶知安駅、ニセコ駅【北海道倶知安町、ニセコ町】

出典:「地域の足」「観光の足」の対策の取り組み状況(第2回 国土交通省「交通空白」解消本部 配布資料)



「交通空白解消・官民連携プラットフォーム(仮称)」の設置について

 国土交通省「交通空白解消本部(本部長:斉藤国土交通大臣)」のもと、自治体・交通事業者等とさまざまな技術・サービスを持つ企業群と幅広い連携を図る「交通空白解消・官民連携プラットフォーム(仮称)」を設置し、官民の総力をあげて、交通空白解消に向けた実効性かつ持続可能性のある取り組みを推進していく。

日本版ライドシェアとは 体制(想定)
※配車・運行管理、人材養成・提供、デジタルサイネージ、カーシェア・レンタカー、データ、エネルギー、不動産、金融・保険等

3つの主な取り組み

課題を解決したい自治体や交通事業者と、技術やノウハウ等のソリューションを持つパートナー企業とのマッチングを後押し。

交通空白を解決する先導的・連鎖的な取り組みを「パイロットプロジェクト(仮称)」として推進。

 空白解消に向けたタクシー、乗合タクシー、公共/日本版ライドシェア等の普及促進に向けて、官民の意見交換会を実施。

設置

出典:「地域の足」「観光の足」の対策の取り組み状況(第2回 国土交通省「交通空白」解消本部 配布資料)



東広島市では東広島タクシーに許可

配車アプリデータ活用せず、中国地方初

 国土交通省中国運輸局は、8月26日、東広島市を営業区域とする株式会社東広島タクシーに対し、自家用車を活用した有償運送サービス「日本版ライドシェア」の許可を出したと発表。
 日本版ライドシェアは、タクシー不足が見込まれる地域や時間帯に、自家用車と一般ドライバーを
活用してタクシーを補完するサービスで、中国運輸局管内では広島交通圏で導入済み。今回は配車アプリのデータに基づかない許可としては中国地方で初めての事例となる。
 東広島市では、タクシー車両数の5%にあたる7台が、金曜日と土曜日の午後4時から翌朝5時まで運行可能となり、JR西条駅に発着する路線バスをはじめとして、バスの減便や最終便の繰り上げにより利便性が悪化するなどして、地域の移動手段が不足している状況の改善につながることが期待できる。



日本版ライドシェア(自家用車活用事業)とは

■地域交通の「担い手」「移動の足」不足解消のため、令和6年3月、タクシー事業者の管理の下で、地域の自家用車・一般ドライバーを活用した運送サービスの提供を可能とする自家用車活用事業を創設。
■タクシー配車アプリデータ等を活用して、営業区域ごとにタクシーが不足する時期、時間帯及び不足車両数を特定

日本版ライドシェアとは
日本版ライドシェア 東京の例

1.アプリデータに基づき不足車両数を算定し、自家用車活用事業を行う地域

東京、横浜、名古屋、京都、札幌、仙台、さいたま、千葉、大阪、神戸、広島、福岡(12地域)

2.1.以外の地域

簡便な方法により不足車両数を算定し、タクシー事業者に実施意向がある場合は、事業の実施が可能

金曜日・土曜日の16時台から翌5時台をタクシーが不足する曜日及び時間帯とし、当該地域のタクシー車両数の5%を不足車両数とみなす。
※ただし、自治体が特定の曜日、時間帯における不足車両数を運輸支局へ申し出た場合は、その内容を、不足する曜日、時間帯及び不足車両数とみなす。

出典:国土交通省中国運輸局が発表した「東広島市において、日本版ライドシェアの許可を行いました ~配車アプリのデータによらない、中国地方では“初”となる日本版ライドシェア~」と題するプレスリリース



災害時にも運行可 自治体要請で調整、安全前提―国交省

 国土交通省は、一般ドライバーが自家用車を使って有償で乗客を運ぶ「日本版ライドシェア」について、災害時の輸送手段としての活用を認める。安全確保を前提に、自治体などの要請を受け、地方運輸局が調整に乗り出す。災害時はタクシーの需給が逼迫(ひっぱく)しがちになるため、補完するのが狙い。
 地震や台風などの災害発生時や復旧・復興過程では、交通需要が膨らむ。通院や買い物といった日常生活での利用に加えて、被災者が避難したり、損害保険会社が現地で家屋調査を行ったりする際にタクシーを使うことが想定される。地元タクシー会社が稼働でき、営業区域の異なる会社から応援を受けたとしても、供給不足を解消し切れない懸念がある。
 そこで国交省は、被災地での輸送の安全性が確保されていることを前提に、ライドシェアの運行を可能とする。自治体などからの要請を踏まえ、地方運輸局が車両数や実施期間を調整する。通常と同様に、運行管理や車両整備はタクシー会社が担う。

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プレスネット編集部

広島県東広島市に密着した情報を発信するフリーペーパー「ザ・ウィークリープレスネット」の編集部。

東広島の行事やイベント、グルメなどジャンルを問わず取材し、週刊で情報を届ける。

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