東広島市立幼稚園・小学校・中学校の全てで、和文化学習が行われていることをご存じでしょうか。実は10年以上も続く「一校一和文化学習」。なぜ和文化なのか、どのようなことを学んでいるのかをまとめました。
監修 東広島市教育委員会
目次
一校一和文化学習とは
東広島市には、長い歴史のなかで引き継がれてきた文化や伝統が各地にあります。
例えば1月には市内各地で「とんど」が行われますが、やぐらの形や飾りつけ、行事の作法は地域ごとに異なります。
こうした地域に根付く伝統や日本の文化を教材として学ぶのが「一校一和文化学習」です。
東広島市ではこの一校一和文化学習を「教育の柱」のひとつとしています。
その目的は、大きく3つ。
①他人を思いやる心や、礼儀、集中力を養うこと
②自国の文化を大切にすることで、他国の文化を尊重する心を育てること
③日本の文化、東広島市の文化・地域を知り、誇りを持って語ることができる子どもの育成
子どもたちが大人になったとき、きっと今よりさらに国際化が進んだグローバル社会で活躍できるようにという願いも込められています。
こんなことを学んでいます
一校一和文化学習でなにをするか、それは学校ごとに異なります。
・酒造りをはじめとした地場産業を模した表現活動
・茶道、和歌、俳句など日本の伝統文化をテーマにした学習
・和太鼓、歌、踊りなどの芸能を取り入れた創作表現活動
・昔遊びやとんど、もちつきなど、食文化や生活文化を取り入れた学習
・伝統文化や異文化を取り入れて、新たな地域文化を創り出すことをテーマにした学習
各学校で、その地域の特色を生かした活動に取り組んでいます。
和文化学習をいちはやく取り入れていた東広島市
平成18年に教育基本法が改正されて、教育目標に「伝統文化の尊重」「国や郷土を愛する心」が明記されました。
東広島市はそれ以前から和文化学習を行っていましたが、さらに深い活動にするために「一校一和文化学習」を大々的にスタート。
平成20年10月から全市立幼稚園・小学校・中学校で行われることとなったのでした。
平成30年度には、「一校一和文化学習」の10周年を記念して、生涯学習フェスティバルで「和文化まつり」も開催され、各校による発表や講演会が行われました。
【和文化まつりの写真】
過去には、和文化教育学会などが主催する「和文化教育全国大会」が東広島市で2回も行われていて、全国に東広島市の「一校一和文化学習」を知ってもらう機会となりました。
他人を思いやれる東広島っ子になってほしい
東広島市では、市内の子どもたち全員ができるように取り組む「東広島スタンダード」があります。
これは、「あいさつ」「へんじ」「ことばづかい」「はきものをそろえる」という当たり前のことが当たり前にできることを目指すものです。
そのねらいは、自分を省みて相手を思いやる心を育てること。
調和や思いやりを育む和文化教育にも通じるところがあります。
一校一和文化学習や東広島スタンダードをはじめ、工夫がこらされた様々な教育活動によって、子どもたちが「東広島市で学んでよかった」と思ってくれたらうれしいですね。
【問い合わせ】
東広島市教育委員会 学校教育部指導課
電話:082-420-0976