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【どうなる?東広島】コロナ後の未来見据えた2021年に

  • 2021/03/26

 新型コロナウイルスに始まり、新型コロナウイルスに終わった2020年。大きな変革の年になったことは間違いない。未曽有の経験を経て、今後、東広島はどう変わっていくのだろうか。時事通信社広島支社編集部長の阿萬英之氏、地域経済ジャーナリストの田辺裕視氏、本紙編集委員の日川剛伸が話し合った。聞き手はFM東広島パーソナリティーの間瀬忍。

 

コロナ対策に全力。道路整備も進展

 

――今年はコロナがキーワードの年でした。自治体のコロナ対策は。

 

日川 東広島市では感染防止と消費拡大の両立を図ることを念頭に、スピード感を持って取り組んでいた。東広島市独自の取り組みで印象深いのは、市内の店舗でキャッシュレス決済をした人を対象に20%を還元するキャンペーン。11月末で25億円の経済効果をもたらした。
 今年2月にオープンした、中小企業に売り上げを伸ばすための支援策を提示する「ハイビズ」には、11月末現在1400件の相談があり、コロナ禍で事業者の力強い応援団になったようだ。

 

阿萬 県では、これまでも感染防止対策や消費喚起策に取り組んできたが、ここにきて広島市を中心に感染の急拡大が続いている。このまま広島市の感染拡大が続き県全域に広がると、経済活動の制限を強める事態になる。そうした事態に陥るのを避けるため、県は広島市中心部の飲食店に酒の提供時間を午後7時までとするよう求めるなど対策を強化した。

 

 

――コロナ禍を除いて、今年で印象に残っていることは。

 

田辺 中心市街地(西条栄町)に新美術館が移転オープンしたこと。今後は展覧会など中身をどう充実させるかがカギになる。
 山陽自動車道の志和IC(インターチェンジ)―西条IC間に、(仮称)八本松スマートICの設置が決まったことも大きなニュース。道路整備では、2022年度中の開通を目指し、安芸区の東広島バイパスと東広島市の西条・八本松バイパスをつなぐ国道2号安芸バイパス(延長7・7㌔)の工事が順調に進んでいることも外せない。

 

【新スマートIC:渋滞緩和に期待!東広島市役所で連結許可書伝達式】

 

 

――今年は河井夫妻の買収事件でも揺れました。来年の選挙に影響は。

 

阿萬 大いにある。一つは有権者の政治不信を助長したこと。もう一つは県政界の構図が変わりつつあることだ。河井克行被告の地盤の衆院広島3区で、公明党が比例中国ブロック選出の斉藤鉄夫副代表の擁立を決めた。同党が中国地方5県の小選挙区で公認候補を立てるのは初めてだ。

 

田辺 東広島市でも現金を受け取った県議がいるし、現金授受をうわさされる市議もいる。4区の選挙にも影響を与えるだろう。

 

【河井夫妻大規模買収事件:下原 康充県議、現金受領の思いを告白】

 

 

――コロナ禍はデジタル化を加速させました。 

 

日川 東広島市は今年夏に内閣府の「SDGs未来都市」に選定され、秋にはデジタルトランスフォーメーション推進本部を設置した。つまり、デジタル技術を活用しながら、SDGsの理念にのっとった、持続可能なまちづくりを展開していこうとしている。

 

 

阿萬 デジタルとSDGsの絡みでいえば、東広島市と広島大との間で「タウン・アンド・ガウン」構想を進めていて、大学内に準備室を設け、21年秋から本格的に動き出す。二人三脚でまちづくりを進め、地域のさまざまな課題を解決、市の発展を促していこうというものだ。持続可能な都市のモデルとなってほしい、と期待している。

時事通信社広島支社編集部長-阿萬英之

 

【東広島:「デジタル化」「ICT化」で変わっている→変わっていくこと】

 

 

――来年に向けメッセージを。

 

田辺 (コロナ禍で)暗く沈んでいても何も始まらない。今やろうとしていることに希望を持って取り組むことが大事だ。人口が減っていく自治体が多い中で、東広島市は、2035年までは人口が増えるという推計が出ている。未来に希望が持てる都市であることを心に留めていきたい。東日本大震災でもそうだったが、絆がキーワードになる。

 

 2021年 記者が選ぶ注目事業 
  • 広島中央エコパークが稼働
     東広島市、竹原市、大崎上島町のごみとし尿を共同処理する施設。2021年10月の供用開始予定だ。ごみ処理を燃やすことから溶かすことに転換、最終処分場に頼らない方式として、期待されている。


  • 写真/広島中央エコパークの鳥瞰(ちょうかん)図 (予想図のため実際とは異なる場合があります)



 

  • ディスカバー東広島(東広島DMO)が本格始動
     東広島市の観光振興を担う官民組織。高垣広徳市長を代表理事に、スタッフは全国公募で採用した専門人材や市からの出向者で構成。20年10月に設立、21年4月から本格始動し、観光コンテンツづくりを進める。



  • 選挙イヤー
     衆院議員の任期は21年10月までだが、解散総選挙の時期が注目を集める。大規模買収事件で参院議員・河井案里被告の失職の公算が大きく、参院補選も行われることになりそう。任期満了に伴う広島県知事選も11月に予定。現職が4選を目指すのかが焦点となる。



  • 広島大に国際交流拠点施設が完成&米大学の日本校開校
     東広島キャンパス内に建設している国際交流拠点施設が21年秋完成。短期留学生たちの居室となる施設は同キャンパス内に開校する米アリゾナ州立大・広島大グローバル校の講義などにも活用される。



  • 福富小が開校
     福富中敷地内に21年4月、竹仁小と久芳小を統合した福富小が開校。東広島市では初めての小中一貫教育校となる。また、22年には志和中敷地内に志和小が、河内中敷地内に河内小が開校予定。

 

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